Today 2026年3月09日 - 2026年3月13日

3月09日

ルカ 7
ルカ 7:1 イエスは、耳《みみ》を傾《かたむ》けている民《みん》衆《しゅう》にこれらのことばをみな話《はな》し終《お》えられると、カペナウムに入《はい》られた。
ルカ 7:2 ところが、ある百《ひゃく》人《にん》隊《たい》長《ちょう》に重《おも》んじられているひとりのしもべが、病《びょう》気《き》で死《し》にかけていた。
ルカ 7:3 百《ひゃく》人《にん》隊《たい》長《ちょう》は、イエスのことを聞《き》き、みもとにユダヤ人《じん》の長《ちょう》老《ろう》たちを送《おく》って、しもべを助《たす》けに来《き》てくださるようお願《ねが》いした。
ルカ 7:4 イエスのもとに来《き》たその人《ひと》たちは、熱《ねっ》心《しん》にお願《ねが》いして言《い》った。「この人《ひと》は、あなたにそうしていただく資《し》格《かく》のある人《ひと》です。
ルカ 7:5 この人《ひと》は、私たちの国《こく》民《みん》を愛《あい》し、私たちのために会《かい》堂《どう》を建《た》ててくれた人《ひと》です。」
ルカ 7:6 イエスは、彼《かれ》らといっしょに行《い》かれた。そして、百《ひゃく》人《にん》隊《たい》長《ちょう》の家《いえ》からあまり遠《とお》くない所《ところ》に来《こ》られたとき、百《ひゃく》人《にん》隊《たい》長《ちょう》は友《ゆう》人《じん》たちを使《つか》いに出《だ》して、イエスに伝《つた》えた。「主《しゅ》よ。わざわざおいでくださいませんように。あなたを私の屋《や》根《ね》の下《した》にお入《い》れする資《し》格《かく》は、私にはありません。
ルカ 7:7 ですから、私のほうから伺《うかが》うことさえ失《しつ》礼《れい》と存《ぞん》じました。ただ、おことばをいただかせてください。そうすれば、私のしもべは必《かなら》ずいやされます。
ルカ 7:8 と申《もう》しますのは、私も権《けん》威《い》の下《した》にある者《もの》ですが、私の下《した》にも兵《へい》士《し》たちがいまして、そのひとりに『行《い》け』と言《い》えば行《い》きますし、別《べつ》の者《もの》に『来《こ》い』と言《い》えば来《き》ます。また、しもべに『これをせよ』と言《い》えば、そのとおりにいたします。」
ルカ 7:9 これを聞《き》いて、イエスは驚《おどろ》かれ、ついて来《き》ていた群《ぐん》衆《しゅう》のほうに向《む》いて言《い》われた。「あなたがたに言《い》いますが、このようなりっぱな信《しん》仰《こう》は、イスラエルの中《なか》にも見《み》たことがありません。」
ルカ 7:10 使《つか》いに来《き》た人《ひと》たちが家《いえ》に帰《かえ》ってみると、しもべはよくなっていた。
ルカ 7:11 それから間《ま》もなく、イエスはナインという町《まち》に行《い》かれた。弟《で》子《し》たちと大《おお》ぜいの人《ひと》の群《む》れがいっしょに行《い》った。
ルカ 7:12 イエスが町《まち》の門《もん》に近《ちか》づかれると、やもめとなった母《はは》親《おや》のひとり息《むす》子《こ》が、死《し》んでかつぎ出《だ》されたところであった。町《まち》の人《ひと》たちが大《おお》ぜいその母《はは》親《おや》につき添《そ》っていた。
ルカ 7:13 主《しゅ》はその母《はは》親《おや》を見《み》てかわいそうに思《おも》い、「泣《な》かなくてもよい」と言《い》われた。
ルカ 7:14 そして近《ちか》寄《よ》って棺《かん》に手《て》をかけられると、かついでいた人《ひと》たちが立《た》ち止《ど》まったので、「青《せい》年《ねん》よ。あなたに言《い》う、起《お》きなさい」と言《い》われた。
ルカ 7:15 すると、その死《し》人《にん》が起《お》き上《あ》がって、ものを言《い》い始《はじ》めたので、イエスは彼《かれ》を母《はは》親《おや》に返《かえ》された。
ルカ 7:16 人《ひと》々《びと》は恐《おそ》れを抱《いだ》き、「大《だい》預《よ》言《げん》者《しゃ》が私たちのうちに現《あらわ》れた」とか、「神《かみ》がその民《たみ》を顧《かえり》みてくださった」などと言《い》って、神《かみ》をあがめた。
ルカ 7:17 イエスについてこの話《はなし》がユダヤ全《ぜん》土《ど》と回《まわ》りの地《ち》方《ほう》一《いっ》帯《たい》に広《ひろ》まった。
ルカ 7:18 さて、ヨハネの弟《で》子《し》たちは、これらのことをすべてヨハネに報《ほう》告《こく》した。
ルカ 7:19 すると、ヨハネは、弟《で》子《し》の中《なか》からふたりを呼《よ》び寄《よ》せて、主《しゅ》のもとに送《おく》り、「おいでになるはずの方《かた》は、あなたですか。それとも、私たちはほかの方《かた》を待《ま》つべきでしょうか」と言《い》わせた。
ルカ 7:20 ふたりはみもとに来《き》て言《い》った。「バプテスマのヨハネから遣《つか》わされてまいりました。『おいでになるはずの方《かた》は、あなたですか。それとも私たちはなおほかの方《かた》を待《ま》つべきでしょうか』とヨハネが申《もう》しております。」
ルカ 7:21 ちょうどそのころ、イエスは、多《おお》くの人《ひと》々《びと》を病《びょう》気《き》と苦《く》し《る》みと悪《あく》霊《れい》からいやし、また多《おお》くの盲《もう》人《じん》を見《み》えるようにされた。
ルカ 7:22 そして、答《こた》えてこう言《い》われた。「あなたがたは行《い》って、自《じ》分《ぶん》たちの見《み》たり聞《き》いたりしたことをヨハネに報《ほう》告《こく》しなさい。目《め》の見《み》えない者《もの》が見《み》、足《あし》のなえた者《もの》が歩《ある》き、ツァラアトに冒《おか》された者《もの》がきよめられ、耳《みみ》の聞《き》こえない者《もの》が聞《き》き、死《し》人《にん》が生《い》き返《かえ》り、貧《まず》しい者《もの》たちに福《ふく》音《いん》が宣《の》べ伝《つた》えられている。
ルカ 7:23 だれでもわたしにつまずかない者《もの》は幸《さいわ》いです。」
ルカ 7:24 ヨハネの使《つか》いが帰《かえ》ってから、イエスは群《ぐん》衆《しゅう》に、ヨハネについて話《はな》しだされた。「あなたがたは、何《なに》を見《み》に荒《あら》野《の》に出《で》て行《い》ったのですか。風《かぜ》に揺《ゆ》れる葦《あし》ですか。
ルカ 7:25 でなかったら、何《なに》を見《み》に行《い》ったのですか。柔《やわ》らかい着《き》物《もの》を着《き》た人《ひと》ですか。きらびやかな着《き》物《もの》を着《き》て、ぜいたくに暮《く》らしている人《ひと》たちなら宮《きゅう》殿《でん》にいます。
ルカ 7:26 でなかったら、何《なに》を見《み》に行《い》ったのですか。預《よ》言《げん》者《しゃ》ですか。そのとおり。だが、わたしが言《い》いましょう。預《よ》言《げん》者《しゃ》よりもすぐれた者《もの》をです。
ルカ 7:27 その人《ひと》こそ、『見《み》よ、わたしは使《つか》いをあなたの前《まえ》に遣《つか》わし、あなたの道《みち》を、あなたの前《まえ》に備《そな》えさせよう。』と書《か》かれているその人《ひと》です。
ルカ 7:28 あなたがたに言《い》いますが、女《おんな》から生《う》まれた者《もの》の中《なか》で、ヨハネよりもすぐれた人《ひと》は、ひとりもいません。しかし、神《かみ》の国《くに》で一《いち》番《ばん》小《ちい》さい者《もの》でも、彼《かれ》よりすぐれています。
ルカ 7:29 ヨハネの教《おし》えを聞《き》いたすべての民《たみ》は、取《しゅ》税《ぜい》人《にん》たちさえ、ヨハネのバプテスマを受《う》けて、神《かみ》の正《ただ》しいことを認《みと》めたのです。
ルカ 7:30 これに反《はん》して、パリサイ人《びと》、律《りっ》法《ぽう》の専《せん》門《もん》家《か》たちは、彼《かれ》からバプテスマを受《う》けないで、神《かみ》の自《じ》分《ぶん》たちに対《たい》するみこころを拒《こば》みました。
ルカ 7:31 では、この時《じ》代《だい》の人《ひと》々《びと》は、何《なに》にたとえたらよいでしょう。何《なに》に似《に》ているでしょう。
ルカ 7:32 市《いち》場《ば》にすわって、互《たが》いに呼《よ》びかけながら、こう言《い》っている子《こ》どもたちに似《に》ています。『笛《ふえ》を吹《ふ》いてやっても、君《きみ》たちは踊《おど》らなかった。弔《とむら》いの歌《うた》を歌《うた》ってやっても、泣《な》かなかった。』
ルカ 7:33 というわけは、バプテスマのヨハネが来《き》て、パンも食《た》べず、ぶどう酒《しゅ》も飲《の》まずにいると、『あれは悪《あく》霊《れい》につかれている』とあなたがたは言《い》うし、
ルカ 7:34 人《ひと》の子《こ》が来《き》て、食《た》べもし、飲《の》みもすると、『あれ見《み》よ。食《く》いしんぼうの大《おお》酒《ざけ》飲《の》み、取《しゅ》税《ぜい》人《にん》や罪《つみ》人《びと》の仲《なか》間《ま》だ』と言《い》うのです。
ルカ 7:35 だが、知《ち》恵《え》の正《ただ》しいことは、そのすべての子《こ》どもたちが証《しょう》明《めい》します。」
ルカ 7:36 さて、あるパリサイ人《びと》が、いっしょに食《しょく》事《じ》をしたい、とイエスを招《まね》いたので、そのパリサイ人《びと》の家《いえ》に入《はい》って食《しょく》卓《たく》に着《つ》かれた。
ルカ 7:37 すると、その町《まち》にひとりの罪《つみ》深《ぶか》い女《おんな》がいて、イエスがパリサイ人《びと》の家《いえ》で食《しょく》卓《たく》に着《つ》いておられることを知《し》り、香《こう》油《ゆ》の入《はい》った石《せっ》膏《こう》のつぼを持《も》って来《き》て、
ルカ 7:38 泣《な》きながら、イエスのうしろで御《み》足《あし》のそばに立《た》ち、涙《なみだ》で御《み》足《あし》をぬらし始《はじ》め、髪《かみ》の毛《け》でぬぐい、御《み》足《あし》に口《くち》づけして、香《こう》油《ゆ》を塗《ぬ》った。
ルカ 7:39 イエスを招《まね》いたパリサイ人《びと》は、これを見《み》て、「この方《かた》がもし預《よ》言《げん》者《しゃ》なら、自《じ》分《ぶん》にさわっている女《おんな》がだれで、どんな女《おんな》であるか知《し》っておられるはずだ。この女《おんな》は罪《つみ》深《ぶか》い者《もの》なのだから」と心《こころ》ひそかに思《おも》っていた。
ルカ 7:40 するとイエスは、彼《かれ》に向《む》かって、「シモン。あなたに言《い》いたいことがあります」と言《い》われた。シモンは、「先《せん》生《せい》。お話《はな》しください」と言《い》った。
ルカ 7:41 「ある金《かね》貸《か》しから、ふたりの者《もの》が金《かね》を借《か》りていた。ひとりは五百デナリ、ほかのひとりは五十デナリ借《か》りていた。
ルカ 7:42 彼《かれ》らは返《かえ》すことができなかったので、金《かね》貸《か》しはふたりとも赦《ゆる》してやった。では、ふたりのうちどちらがよけいに金《かね》貸《か》しを愛《あい》するようになるでしょうか。」
ルカ 7:43 シモンが、「よけいに赦《ゆる》してもらったほうだと思《おも》います」と答《こた》えると、イエスは、「あなたの判《はん》断《だん》は当《あ》たっています」と言《い》われた。
ルカ 7:44 そしてその女《おんな》のほうを向《む》いて、シモンに言《い》われた。「この女《おんな》を見《み》ましたか。わたしがこの家《いえ》に入《はい》って来《き》たとき、あなたは足《あし》を洗《あら》う水《みず》をくれなかったが、この女《おんな》は、涙《なみだ》でわたしの足《あし》をぬらし、髪《かみ》の毛《け》でぬぐってくれました。
ルカ 7:45 あなたは、口《くち》づけしてくれなかったが、この女《おんな》は、わたしが入《はい》って来《き》たときから足《あし》に口《くち》づけしてやめませんでした。
ルカ 7:46 あなたは、わたしの頭《あたま》に油《あぶら》を塗《ぬ》ってくれなかったが、この女《おんな》は、わたしの足《あし》に香《こう》油《ゆ》を塗《ぬ》ってくれました。
ルカ 7:47 だから、わたしは『この女《おんな》の多《おお》くの罪《つみ》は赦《ゆる》されている』と言《い》います。それは彼《かの》女《じょ》がよけい愛《あい》したからです。しかし少《すこ》ししか赦《ゆる》されない者《もの》は、少《すこ》ししか愛《あい》しません。」
ルカ 7:48 そして女《おんな》に、「あなたの罪《つみ》は赦《ゆる》されています」と言《い》われた。
ルカ 7:49 すると、いっしょに食《しょく》卓《たく》にいた人《ひと》たちは、心《こころ》の中《なか》でこう言《い》い始《はじ》めた。「罪《つみ》を赦《ゆる》したりするこの人《ひと》は、いったいだれだろう。」
ルカ 7:50 しかし、イエスは女《おんな》に言《い》われた。「あなたの信《しん》仰《こう》が、あなたを救《すく》ったのです。安《あん》心《しん》して行《い》きなさい。」

3月10日

ルカ 8
ルカ 8:1 その後《のち》、イエスは、神《かみ》の国《くに》を説《と》き、その福《ふく》音《いん》を宣《の》べ伝《つた》えながら、町《まち》や村《むら》を次《つぎ》から次《つぎ》に旅《たび》をしておられた。十二弟《で》子《し》もお供《とも》をした。
ルカ 8:2 また、悪《あく》霊《れい》や病《びょう》気《き》を直《なお》していただいた女《おんな》たち、すなわち、七つの悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》していただいたマグダラの女《おんな》と呼《よ》ばれるマリヤ、
ルカ 8:3 自《じ》分《ぶん》の財《ざい》産《さん》をもって彼《かれ》らに仕《つか》えているヘロデの執《しつ》事《じ》クーザの妻《つま》ヨハンナ、スザンナ、そのほか大《おお》ぜいの女《おんな》たちもいっしょであった。
ルカ 8:4 さて、大《おお》ぜいの人《ひと》の群《む》れが集《あつ》まり、また方《ほう》々《ぼう》の町《まち》からも人《ひと》々《びと》がみもとにやって来《き》たので、イエスはたとえを用《もち》いて話《はな》された。
ルカ 8:5 「種《たね》を蒔《ま》く人《ひと》が種《たね》蒔《ま》きに出《で》かけた。蒔《ま》いているとき、道《みち》ばたに落《お》ちた種《たね》があった。すると、人《ひと》に踏《ふ》みつけられ、空《そら》の鳥《とり》がそれを食《た》べてしまった。
ルカ 8:6 また、別《べつ》の種《たね》は岩《いわ》の上《うえ》に落《お》ち、生《は》え出《で》たが、水《すい》分《ぶん》がなかったので、枯《か》れてしまった。
ルカ 8:7 また、別《べつ》の種《たね》はいばらの真《ま》ん中《なか》に落《お》ちた。ところが、いばらもいっしょに生《は》え出《で》て、それを押《お》しふさいでしまった。
ルカ 8:8 また、別《べつ》の種《たね》は良《よ》い地《ち》に落《お》ち、生《は》え出《で》て、百倍《ばい》の実《み》を結《むす》んだ。」イエスは、これらのことを話《はな》しながら「聞《き》く耳《みみ》のある者《もの》は聞《き》きなさい」と叫《さけ》ばれた。
ルカ 8:9 さて、弟《で》子《し》たちは、このたとえがどんな意《い》味《み》かをイエスに尋《たず》ねた。
ルカ 8:10 そこでイエスは言《い》われた。「あなたがたに、神《かみ》の国《くに》の奥《おく》義《ぎ》を知《し》ることが許《ゆる》されているが、ほかの者《もの》には、たとえで話《はな》します。彼《かれ》らが見《み》ていても見《み》えず、聞《き》いていても悟《さと》らないためです。
ルカ 8:11 このたとえの意《い》味《み》はこうです。種《たね》は神《かみ》のことばです。
ルカ 8:12 道《みち》ばたに落《お》ちるとは、こういう人《ひと》たちのことです。みことばを聞《き》いたが、あとから悪《あく》魔《ま》が来《き》て、彼《かれ》らが信《しん》じて救《すく》われることのないように、その人《ひと》たちの心《こころ》から、みことばを持《も》ち去《さ》ってしまうのです。
ルカ 8:13 岩《いわ》の上《うえ》に落《お》ちるとは、こういう人《ひと》たちのことです。聞《き》いたときには喜《よろこ》んでみことばを受《う》け入《い》れるが、根《ね》がないので、しばらくは信《しん》じていても、試《し》練《れん》のときになると、身《み》を引《ひ》いてしまうのです。
ルカ 8:14 いばらの中《なか》に落《お》ちるとは、こういう人《ひと》たちのことです。みことばを聞《き》きはしたが、とかくしているうちに、この世《よ》の心《こころ》づかいや、富《とみ》や、快《かい》楽《らく》によってふさがれて、実《み》が熟《じゅく》するまでにならないのです。
ルカ 8:15 しかし、良《よ》い地《ち》に落《お》ちるとは、こういう人《ひと》たちのことです。正《ただ》しい、良《よ》い心《こころ》でみことばを聞《き》くと、それをしっかりと守《まも》り、よく耐《た》えて、実《み》を結《むす》ばせるのです。
ルカ 8:16 あかりをつけてから、それを器《うつわ》で隠《かく》したり、寝《しん》台《だい》の下《した》に置《お》いたりする者《もの》はありません。燭《しょく》台《だい》の上《うえ》に置《お》きます。入《はい》って来《く》る人《ひと》々《びと》に、その光《ひかり》が見《み》えるためです。
ルカ 8:17 隠《かく》れているもので、あらわにならぬものはなく、秘《ひ》密《みつ》にされているもので、知《し》られず、また現《あらわ》れないものはありません。
ルカ 8:18 だから、聞《き》き方《かた》に注《ちゅう》意《い》しなさい。というのは、持《も》っている人《ひと》は、さらに与《あた》えられ、持《も》たない人《ひと》は、持《も》っていると思《おも》っているものまでも取《と》り上《あ》げられるからです。」
ルカ 8:19 イエスのところに母《はは》と兄《きょう》弟《だい》たちが来《き》たが、群《ぐん》衆《しゅう》のためにそばへ近《ちか》寄《よ》れなかった。
ルカ 8:20 それでイエスに、「あなたのお母《かあ》さんと兄《きょう》弟《だい》たちが、あなたに会《あ》おうとして、外《そと》に立《た》っています」という知《し》らせがあった。
ルカ 8:21 ところが、イエスは人《ひと》々《びと》にこう答《こた》えられた。「わたしの母《はは》、わたしの兄《きょう》弟《だい》たちとは、神《かみ》のことばを聞《き》いて行《おこな》う人《ひと》たちです。」
ルカ 8:22 そのころのある日《ひ》のこと、イエスは弟《で》子《し》たちといっしょに舟《ふね》に乗《の》り、「さあ、湖《みずうみ》の向《む》こう岸《ぎし》へ渡《わた》ろう」と言《い》われた。それで弟《で》子《し》たちは舟《ふね》を出《だ》した。
ルカ 8:23 舟《ふね》で渡《わた》っている間《あいだ》にイエスはぐっすり眠《ねむ》ってしまわれた。ところが突《とっ》風《ぷう》が湖《みずうみ》に吹《ふ》きおろして来《き》たので、弟《で》子《し》たちは水《みず》をかぶって危《き》険《けん》になった。
ルカ 8:24 そこで、彼《かれ》らは近《ちか》寄《よ》って行《い》ってイエスを起《お》こし、「先《せん》生《せい》、先《せん》生《せい》。私たちはおぼれて死《し》にそうです」と言《い》った。イエスは、起《お》き上《あ》がって、風《かぜ》と荒《あら》波《なみ》とをしかりつけられた。すると風《かぜ》も波《なみ》も収《おさ》まり、なぎになった。
ルカ 8:25 イエスは彼《かれ》らに、「あなたがたの信《しん》仰《こう》はどこにあるのです」と言《い》われた。弟《で》子《し》たちは驚《おどろ》き恐《おそ》れて互《たが》いに言《い》った。「風《かぜ》も水《みず》も、お命《めい》じになれば従《したが》うとは、いったいこの方《かた》はどういう方《かた》なのだろう。」
ルカ 8:26 こうして彼《かれ》らは、ガリラヤの向《む》こう側《がわ》のゲラサ人《じん》の地《ち》方《ほう》に着《つ》いた。
ルカ 8:27 イエスが陸《りく》に上《あ》がられると、この町《まち》の者《もの》で悪《あく》霊《れい》につかれている男《おとこ》がイエスに出《で》会《あ》った。彼《かれ》は、長《なが》い間《あいだ》着《き》物《もの》も着《つ》けず、家《いえ》には住《す》まないで、墓《はか》場《ば》に住《す》んでいた。
ルカ 8:28 彼《かれ》はイエスを見《み》ると、叫《さけ》び声《ごえ》をあげ、御《み》前《まえ》にひれ伏《ふ》して大《おお》声《ごえ》で言《い》った。「いと高《たか》き神《かみ》の子《こ》、イエスさま。いったい私に何《なに》をしようというのです。お願《ねが》いです。どうか私を苦《くる》しめないでください。」
ルカ 8:29 それは、イエスが、汚《けが》れた霊《れい》に、この人《ひと》から出《で》て行《い》け、と命《めい》じられたからである。汚《けが》れた霊《れい》が何《なん》回《かい》となくこの人《ひと》を捕《と》らえたので、彼《かれ》は鎖《くさり》や足《あし》かせでつながれて看《かん》視《し》されていたが、それでもそれらを断《た》ち切《き》っては悪《あく》霊《れい》によって荒《あら》野《の》に追《お》いやられていたのである。
ルカ 8:30 イエスが、「何《なん》という名《な》か」とお尋《たず》ねになると、「レギオンです」と答《こた》えた。悪《あく》霊《れい》が大《おお》ぜい彼《かれ》に入《はい》っていたからである。
ルカ 8:31 悪《あく》霊《れい》どもはイエスに、底《そこ》知《し》れぬ所《ところ》に行《い》け、とはお命《めい》じになりませんようにと願《ねが》った。
ルカ 8:32 ちょうど、山《やま》のそのあたりに、おびただしい豚《ぶた》の群《む》れが飼《か》ってあったので、悪《あく》霊《れい》どもは、その豚《ぶた》に入《はい》ることを許《ゆる》してくださいと願《ねが》った。イエスはそれを許《ゆる》された。
ルカ 8:33 悪《あく》霊《れい》どもは、その人《ひと》から出《で》て、豚《ぶた》に入《はい》った。すると、豚《ぶた》の群《む》れはいきなりがけを駆《か》け下《くだ》って湖《みずうみ》に入《はい》り、おぼれ死《し》んだ。
ルカ 8:34 飼《か》っていた者《もの》たちは、この出《で》来《き》事《ごと》を見《み》て逃《に》げ出《だ》し、町《まち》や村《むら》々《むら》でこの事《こと》を告《つ》げ知《し》らせた。
ルカ 8:35 人《ひと》々《びと》が、この出《で》来《き》事《ごと》を見《み》に来《き》て、イエスのそばに来《き》たところ、イエスの足《あし》もとに、悪《あく》霊《れい》の去《さ》った男《おとこ》が着《き》物《もの》を着《き》て、正《しょう》気《き》に返《かえ》って、すわっていた。人《ひと》々《びと》は恐《おそ》ろしくなった。
ルカ 8:36 目《もく》撃《げき》者《しゃ》たちは、悪《あく》霊《れい》につかれていた人《ひと》の救《すく》われた次《し》第《だい》を、その人《ひと》々《びと》に知《し》らせた。
ルカ 8:37 ゲラサ地《ち》方《ほう》の民《みん》衆《しゅう》はみな、すっかりおびえてしまい、イエスに自《じ》分《ぶん》たちのところから離《はな》れていただきたいと願《ねが》った。そこで、イエスは舟《ふね》に乗《の》って帰《かえ》られた。
ルカ 8:38 そのとき、悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》された人《ひと》が、お供《とも》をしたいとしきりに願《ねが》ったが、イエスはこう言《い》って彼《かれ》を帰《かえ》された。
ルカ 8:39 「家《いえ》に帰《かえ》って、神《かみ》があなたにどんなに大《おお》きなことをしてくださったかを、話《はな》して聞《き》かせなさい。」そこで彼《かれ》は出《で》て行《い》って、イエスが自《じ》分《ぶん》にどんなに大《おお》きなことをしてくださったかを、町《まち》中《じゅう》に言《い》い広《ひろ》めた。
ルカ 8:40 さて、イエスが帰《かえ》られると、群《ぐん》衆《しゅう》は喜《よろこ》んで迎《むか》えた。みなイエスを待《ま》ちわびていたからである。
ルカ 8:41 するとそこに、ヤイロという人《ひと》が来《き》た。この人《ひと》は会《かい》堂《どう》管《かん》理《り》者《しゃ》であった。彼《かれ》はイエスの足《あし》もとにひれ伏《ふ》して自《じ》分《ぶん》の家《いえ》に来《き》ていただきたいと願《ねが》った。
ルカ 8:42 彼《かれ》には十二歳《さい》ぐらいのひとり娘《むすめ》がいて、死《し》にかけていたのである。イエスがお出《で》かけになると、群《ぐん》衆《しゅう》がみもとに押《お》し迫《せま》って来《き》た。
ルカ 8:43 ときに、十二年《ねん》の間《あいだ》長《なが》血《ち》をわずらった女《おんな》がいた。だれにも直《なお》してもらえなかったこの女《おんな》は、
ルカ 8:44 イエスのうしろに近《ちか》寄《よ》って、イエスの着《き》物《もの》のふさにさわった。すると、たちどころに出《しゅっ》血《けつ》が止《と》まった。
ルカ 8:45 イエスは、「わたしにさわったのは、だれですか」と言《い》われた。みな自《じ》分《ぶん》ではないと言《い》ったので、ペテロは、「先《せん》生《せい》。この大《おお》ぜいの人《ひと》が、ひしめき合《あ》って押《お》しているのです」と言《い》った。
ルカ 8:46 しかし、イエスは、「だれかが、わたしにさわったのです。わたしから力《ちから》が出《で》て行《い》くのを感《かん》じたのだから」と言《い》われた。
ルカ 8:47 女《おんな》は、隠《かく》しきれないと知《し》って、震《ふる》えながら進《すす》み出《で》て、御《み》前《まえ》にひれ伏《ふ》し、すべての民《たみ》の前《まえ》で、イエスにさわったわけと、たちどころにいやされた次《し》第《だい》とを話《はな》した。
ルカ 8:48 そこで、イエスは彼《かの》女《じょ》に言《い》われた。「娘《むすめ》よ。あなたの信《しん》仰《こう》があなたを直《なお》したのです。安《あん》心《しん》して行《い》きなさい。」
ルカ 8:49 イエスがまだ話《はな》しておられるときに、会《かい》堂《どう》管《かん》理《り》者《しゃ》の家《いえ》から人《ひと》が来《き》て言《い》った。「あなたのお嬢《じょう》さんはなくなりました。もう、先《せん》生《せい》を煩《わずら》わすことはありません。」
ルカ 8:50 これを聞《き》いて、イエスは答《こた》えられた。「恐《おそ》れないで、ただ信《しん》じなさい。そうすれば、娘《むすめ》は直《なお》ります。」
ルカ 8:51 イエスは家《いえ》に入《はい》られたが、ペテロとヨハネとヤコブ、それに子《こ》どもの父《ちち》と母《はは》のほかは、だれもいっしょに入《はい》ることをお許《ゆる》しにならなかった。
ルカ 8:52 人《ひと》々《びと》はみな、娘《むすめ》のために泣《な》き悲《かな》しんでいた。しかし、イエスは言《い》われた。「泣《な》かなくてもよい。死《し》んだのではない。眠《ねむ》っているのです。」
ルカ 8:53 人《ひと》々《びと》は、娘《むすめ》が死《し》んだことを知《し》っていたので、イエスをあざ笑《わら》っていた。
ルカ 8:54 しかしイエスは、娘《むすめ》の手《て》を取《と》って、叫《さけ》んで言《い》われた。「子《こ》どもよ。起《お》きなさい。」
ルカ 8:55 すると、娘《むすめ》の霊《れい》が戻《もど》って、娘《むすめ》はただちに起《お》き上《あ》がった。それでイエスは、娘《むすめ》に食《しょく》事《じ》をさせるように言《い》いつけられた。
ルカ 8:56 両《りょう》親《しん》がひどく驚《おどろ》いていると、イエスは、この出《で》来《き》事《ごと》をだれにも話《はな》さないように命《めい》じられた。

3月11日

ルカ 9
ルカ 9:1 イエスは、十二人《にん》を呼《よ》び集《あつ》めて、彼《かれ》らに、すべての悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》し、病《びょう》気《き》を直《なお》すための、力《ちから》と権《けん》威《い》とをお授《さず》けになった。
ルカ 9:2 それから、神《かみ》の国《くに》を宣《の》べ伝《つた》え、病《びょう》気《き》を直《なお》すために、彼《かれ》らを遣《つか》わされた。
ルカ 9:3 イエスは、こう言《い》われた。「旅《たび》のために何《なに》も持《も》って行《い》かないようにしなさい。杖《つえ》も、袋《ふくろ》も、パンも、金《かね》も。また下《した》着《ぎ》も、二枚《まい》は、いりません。
ルカ 9:4 どんな家《いえ》に入《はい》っても、そこにとどまり、そこから次《つぎ》の旅《たび》に出《で》かけなさい。
ルカ 9:5 人《ひと》々《びと》があなたがたを受《う》け入《い》れない場《ば》合《あい》は、その町《まち》を出《で》て行《い》くときに、彼《かれ》らに対《たい》する証《しょう》言《げん》として、足《あし》のちりを払《はら》い落《お》としなさい。」
ルカ 9:6 十二人《にん》は出《で》かけて行《い》って、村《むら》から村《むら》へと回《まわ》りながら、至《いた》る所《ところ》で福《ふく》音《いん》を宣《の》べ伝《つた》え、病《びょう》気《き》を直《なお》した。
ルカ 9:7 さて、国《こく》主《しゅ》ヘロデは、このすべての出《で》来《き》事《ごと》を聞《き》いて、ひどく当《とう》惑《わく》していた。それは、ある人《ひと》々《びと》が、「ヨハネが死《し》人《にん》の中《なか》からよみがえったのだ」と言《い》い、
ルカ 9:8 ほかの人《ひと》々《びと》は、「エリヤが現《あらわ》れたのだ」と言《い》い、さらに別《べつ》の人《ひと》々《びと》は、「昔《むかし》の預《よ》言《げん》者《しゃ》のひとりがよみがえったのだ」と言《い》っていたからである。
ルカ 9:9 ヘロデは言《い》った。「ヨハネなら、私が首《くび》をはねたのだ。そうしたことがうわさされているこの人《ひと》は、いったいだれなのだろう。」ヘロデはイエスに会《あ》ってみようとした。
ルカ 9:10 さて、使《し》徒《と》たちは帰《かえ》って来《き》て、自《じ》分《ぶん》たちのして来《き》たことを報《ほう》告《こく》した。それからイエスは彼《かれ》らを連《つ》れてベツサイダという町《まち》へひそかに退《しりぞ》かれた。
ルカ 9:11 ところが、多《おお》くの群《ぐん》衆《しゅう》がこれを知《し》って、ついて来《き》た。それで、イエスは喜《よろこ》んで彼《かれ》らを迎《むか》え、神《かみ》の国《くに》のことを話《はな》し、また、いやしの必《ひつ》要《よう》な人《ひと》たちをおいやしになった。
ルカ 9:12 そのうち、日《ひ》も暮《く》れ始《はじ》めたので、十二人《にん》はみもとに来《き》て、「この群《ぐん》衆《しゅう》を解《かい》散《さん》させてください。そして回《まわ》りの村《むら》や部《ぶ》落《らく》にやって、宿《やど》をとらせ、何《なに》か食《た》べることができるようにさせてください。私たちは、こんな人《ひと》里《ざと》離《はな》れた所《ところ》にいるのですから」と言《い》った。
ルカ 9:13 しかしイエスは、彼《かれ》らに言《い》われた。「あなたがたで、何《なに》か食《た》べる物《もの》を上《あ》げなさい。」彼《かれ》らは言《い》った。「私たちには五つのパンと二匹《ひき》の魚《うお》のほか何《なに》もありません。私たちが出《で》かけて行《い》って、この民《たみ》全《ぜん》体《たい》のために食《しょく》物《もつ》を買《か》うのでしょうか。」
ルカ 9:14 それは、男《おとこ》だけでおよそ五千人《にん》もいたからである。しかしイエスは、弟《で》子《し》たちに言《い》われた。「人《ひと》々《びと》を、五十人《にん》ぐらいずつ組《くみ》にしてすわらせなさい。」
ルカ 9:15 弟《で》子《し》たちは、そのようにして、全《ぜん》部《ぶ》をすわらせた。
ルカ 9:16 するとイエスは、五つのパンと二匹《ひき》の魚《うお》を取《と》り、天《てん》を見《み》上《あ》げて、それらを祝《しゅく》福《ふく》して裂《さ》き、群《ぐん》衆《しゅう》に配《くば》るように弟《で》子《し》たちに与《あた》えられた。
ルカ 9:17 人《ひと》々《びと》はみな、食《た》べて満《まん》腹《ぷく》した。そして、余《あま》ったパン切《き》れを取《と》り集《あつ》めると、十二かごあった。
ルカ 9:18 さて、イエスがひとりで祈《いの》っておられたとき、弟《で》子《し》たちがいっしょにいた。イエスは彼《かれ》らに尋《たず》ねて言《い》われた。「群《ぐん》衆《しゅう》はわたしのことをだれだと言《い》っていますか。」
ルカ 9:19 彼《かれ》らは、答《こた》えて言《い》った。「バプテスマのヨハネだと言《い》っています。ある者《もの》はエリヤだと言《い》い、またほかの人《ひと》々《びと》は、昔《むかし》の預《よ》言《げん》者《しゃ》のひとりが生《い》き返《かえ》ったのだとも言《い》っています。」
ルカ 9:20 イエスは、彼《かれ》らに言《い》われた。「では、あなたがたは、わたしをだれだと言《い》いますか。」ペテロが答《こた》えて言《い》った。「神《かみ》のキリストです。」
ルカ 9:21 するとイエスは、このことをだれにも話《はな》さないようにと、彼《かれ》らを戒《いまし》めて命《めい》じられた。
ルカ 9:22 そして言《い》われた。「人《ひと》の子《こ》は、必《かなら》ず多《おお》くの苦《くる》しみを受《う》け、長《ちょう》老《ろう》、祭《さい》司《し》長《ちょう》、律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》たちに捨《す》てられ、殺《ころ》され、そして三《みっ》日《か》目《め》によみがえらねばならないのです。」
ルカ 9:23 イエスは、みなの者《もの》に言《い》われた。「だれでもわたしについて来《き》たいと思《おも》うなら、自《じ》分《ぶん》を捨《す》て、日《ひ》々《び》自《じ》分《ぶん》の十《じゅう》字《じ》架《か》を負《お》い、そしてわたしについて来《き》なさい。
ルカ 9:24 自《じ》分《ぶん》のいのちを救《すく》おうと思《おも》う者《もの》は、それを失《うしな》い、わたしのために自《じ》分《ぶん》のいのちを失《うしな》う者《もの》は、それを救《すく》うのです。
ルカ 9:25 人《ひと》は、たとい全《ぜん》世《せ》界《かい》を手《て》に入《い》れても、自《じ》分《ぶん》自《じ》身《しん》を失《うしな》い、損《そん》じたら、何《なん》の得《とく》がありましょう。
ルカ 9:26 もしだれでも、わたしとわたしのことばとを恥《はじ》と思《おも》うなら、人《ひと》の子《こ》も、自《じ》分《ぶん》と父《ちち》と聖《せい》なる御《み》使《つか》いとの栄《えい》光《こう》を帯《お》びて来《く》るときには、そのような人《ひと》のことを恥《はじ》とします。
ルカ 9:27 しかし、わたしは真《しん》実《じつ》をあなたがたに告《つ》げます。ここに立《た》っている人《ひと》々《びと》の中《なか》には、神《かみ》の国《くに》を見《み》るまでは、決《けっ》して死《し》を味《あじ》わわない者《もの》たちがいます。」
ルカ 9:28 これらの教《おし》えがあってから八《よう》日《か》ほどして、イエスは、ペテロとヨハネとヤコブとを連《つ》れて、祈《いの》るために、山《やま》に登《のぼ》られた。
ルカ 9:29 祈《いの》っておられると、御《み》顔《かお》の様《よう》子《す》が変《か》わり、御《み》衣《ころも》は白《しろ》く光《ひか》り輝《かがや》いた。
ルカ 9:30 しかも、ふたりの人《ひと》がイエスと話《はな》し合《あ》っているではないか。それはモーセとエリヤであって、
ルカ 9:31 栄《えい》光《こう》のうちに現《あらわ》れて、イエスがエルサレムで遂《と》げようとしておられるご最《さい》期《ご》についていっしょに話《はな》していたのである。
ルカ 9:32 ペテロと仲《なか》間《ま》たちは、眠《ねむ》くてたまらなかったが、はっきり目《め》がさめると、イエスの栄《えい》光《こう》と、イエスといっしょに立《た》っているふたりの人《ひと》を見《み》た。
ルカ 9:33 それから、ふたりがイエスと別《わか》れようとしたとき、ペテロがイエスに言《い》った。「先《せん》生《せい》。ここにいることは、すばらしいことです。私たちが三つの幕《まく》屋《や》を造《つく》ります。あなたのために一つ、モーセのために一つ、エリヤのために一つ。」ペテロは何《なに》を言《い》うべきかを知《し》らなかったのである。
ルカ 9:34 彼《かれ》がこう言《い》っているうちに、雲《くも》がわき起《お》こってその人《ひと》々《びと》をおおった。彼《かれ》らが雲《くも》に包《つつ》まれると、弟《で》子《し》たちは恐《おそ》ろしくなった。
ルカ 9:35 すると雲《くも》の中《なか》から、「これは、わたしの愛《あい》する子《こ》、わたしの選《えら》んだ者《もの》である。彼《かれ》の言《い》うことを聞《き》きなさい」と言《い》う声《こえ》がした。
ルカ 9:36 この声《こえ》がしたとき、そこに見《み》えたのはイエスだけであった。彼《かれ》らは沈《ちん》黙《もく》を守《まも》り、その当《とう》時《じ》は、自《じ》分《ぶん》たちの見《み》たこのことをいっさい、だれにも話《はな》さなかった。
ルカ 9:37 次《つぎ》の日《ひ》、一《いっ》行《こう》が山《やま》から降《お》りて来《く》ると、大《おお》ぜいの人《ひと》の群《む》れがイエスを迎《むか》えた。
ルカ 9:38 すると、群《ぐん》衆《しゅう》の中《なか》から、ひとりの人《ひと》が叫《さけ》んで言《い》った。「先《せん》生《せい》。お願《ねが》いです。息《むす》子《こ》を見《み》てやってください。ひとり息《むす》子《こ》です。
ルカ 9:39 ご覧《らん》ください。霊《れい》がこの子《こ》に取《と》りつきますと、突《とつ》然《ぜん》叫《さけ》び出《だ》すのです。そしてひきつけさせてあわを吹《ふ》かせ、かき裂《さ》いて、なかなか離《はな》れようとしません。
ルカ 9:40 お弟《で》子《し》たちに、この霊《れい》を追《お》い出《だ》してくださるようお願《ねが》いしたのですが、お弟《で》子《し》たちにはできませんでした。」
ルカ 9:41 イエスは答《こた》えて言《い》われた。「ああ、不《ふ》信《しん》仰《こう》な、曲《ま》がった今《いま》の世《よ》だ。いつまで、あなたがたといっしょにいて、あなたがたにがまんしていなければならないのでしょう。あなたの子《こ》をここに連《つ》れて来《き》なさい。」
ルカ 9:42 その子《こ》が近《ちか》づいて来《く》る間《あいだ》にも、悪《あく》霊《れい》は彼《かれ》を打《う》ち倒《たお》して、激《はげ》しくひきつけさせてしまった。それで、イエスは汚《けが》れた霊《れい》をしかって、その子《こ》をいやし、父《ちち》親《おや》に渡《わた》された。
ルカ 9:43 人《ひと》々《びと》はみな、神《かみ》のご威《い》光《こう》に驚《きょう》嘆《たん》した。イエスのなさったすべてのことに、人《ひと》々《びと》がみな驚《おどろ》いていると、イエスは弟《で》子《し》たちにこう言《い》われた。
ルカ 9:44 「このことばを、しっかりと耳《みみ》に入《い》れておきなさい。人《ひ》の《と》子《こ》は、いまに人《ひと》々《びと》の手《て》に渡《わた》されます。」
ルカ 9:45 しかし、弟《で》子《し》たちは、このみことばが理《り》解《かい》できなかった。このみことばの意《い》味《み》は、わからないように、彼《かれ》らから隠《かく》されていたのである。また彼《かれ》らは、このみことばについてイエスに尋《たず》ねるのを恐《おそ》れた。
ルカ 9:46 さて、弟《で》子《し》たちの間《あいだ》に、自《じ》分《ぶん》たちの中《なか》で、だれが一《いち》番《ばん》偉《えら》いかという議《ぎ》論《ろん》が持《も》ち上《あ》がった。
ルカ 9:47 しかしイエスは、彼《かれ》らの心《こころ》の中《なか》の考《かんが》えを知《し》っておられて、ひとりの子《こ》どもの手《て》を取《と》り、自《じ》分《ぶん》のそばに立《た》たせ、
ルカ 9:48 彼《かれ》らに言《い》われた。「だれでも、このような子《こ》どもを、わたしの名《な》のゆえに受《う》け入《い》れる者《もの》は、わたしを受《う》け入《い》れる者《もの》です。また、わたしを受《う》け入《い》れる者《もの》は、わたしを遣《つか》わされた方《かた》を受《う》け入《い》れる者《もの》です。あなたがたすべての中《なか》で一《いち》番《ばん》小《ちい》さい者《もの》が一《いち》番《ばん》偉《えら》いのです。」
ルカ 9:49 ヨハネが答《こた》えて言《い》った。「先《せん》生《せい》。私たちは、先《せん》生《せい》の名《な》を唱《とな》えて悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》している者《もの》を見《み》ましたが、やめさせました。私たちの仲《なか》間《ま》ではないので、やめさせたのです。」
ルカ 9:50 しかしイエスは、彼《かれ》に言《い》われた。「やめさせることはありません。あなたがたに反《はん》対《たい》しない者《もの》は、あなたがたの味《み》方《かた》です。」
ルカ 9:51 さて、天《てん》に上《あ》げられる日《ひ》が近《ちか》づいて来《き》たころ、イエスは、エルサレムに行《い》こうとして御《み》顔《かお》をまっすぐ向《む》けられ、
ルカ 9:52 ご自《じ》分《ぶん》の前《まえ》に使《つか》いを出《だ》された。彼《かれ》らは行《い》って、サマリヤ人《じん》の町《まち》に入《はい》り、イエスのために準《じゅん》備《び》した。
ルカ 9:53 しかし、イエスは御《み》顔《かお》をエルサレムに向《む》けて進《すす》んでおられたので、サマリヤ人《じん》はイエスを受《う》け入《い》れなかった。
ルカ 9:54 弟《で》子《し》のヤコブとヨハネが、これを見《み》て言《い》った。「主《しゅ》よ。私たちが天《てん》から火《ひ》を呼《よ》び下《くだ》して、彼《かれ》らを焼《や》き滅《ほろ》ぼしましょうか。」
ルカ 9:55 しかし、イエスは振《ふ》り向《む》いて、彼《かれ》らを戒《いまし》められた。
ルカ 9:56 そして一《いっ》行《こう》は別《べつ》の村《むら》に行《い》った。
ルカ 9:57 さて、彼《かれ》らが道《みち》を進《すす》んで行《い》くと、ある人《ひと》がイエスに言《い》った。「私はあなたのおいでになる所《ところ》なら、どこにでもついて行《い》きます。」
ルカ 9:58 すると、イエスは彼《かれ》に言《い》われた。「狐《きつね》には穴《あな》があり、空《そら》の鳥《とり》には巣《す》があるが、人《ひと》の子《こ》には枕《まくら》する所《ところ》もありません。」
ルカ 9:59 イエスは別《べつ》の人《ひと》に、こう言《い》われた。「わたしについて来《き》なさい。」しかしその人《ひと》は言《い》った。「まず行《い》って、私の父《ちち》を葬《ほうむ》ることを許《ゆる》してください。」
ルカ 9:60 すると彼《かれ》に言《い》われた。「死《し》人《にん》たちに彼《かれ》らの中《なか》の死《し》人《にん》たちを葬《ほうむ》らせなさい。あなたは出《で》て行《い》って、神《かみ》の国《くに》を言《い》い広《ひろ》めなさい。」
ルカ 9:61 別《べつ》の人《ひと》はこう言《い》った。「主《しゅ》よ。あなたに従《したが》います。ただその前《まえ》に、家《いえ》の者《もの》にいとまごいに帰《かえ》らせてください。」
ルカ 9:62 するとイエスは彼《かれ》に言《い》われた。「だれでも、手《て》を鋤《すき》につけてから、うしろを見《み》る者《もの》は、神《かみ》の国《くに》にふさわしくありません。」

3月12日

ルカ 10
ルカ 10:1 その後《のち》、主《しゅ》は、別《べつ》に七十人《にん》を定《さだ》め、ご自《じ》分《ぶん》が行《い》くつもりのすべての町《まち》や村《むら》へ、ふたりずつ先《さき》にお遣《つか》わしになった。
ルカ 10:2 そして、彼《かれ》らに言《い》われた。「実《み》り《の》は多《おお》いが、働《はたら》き手《て》が少《すく》ない。だから、収《しゅう》穫《かく》の主《しゅ》に、収《しゅう》穫《かく》のために働《はたら》き手《て》を送《おく》ってくださるように祈《いの》りなさい。
ルカ 10:3 さあ、行《い》きなさい。いいですか。わたしがあなたがたを遣《つか》わすのは、狼《おおかみ》の中《なか》に小《こ》羊《ひつじ》を送《おく》り出《だ》すようなものです。
ルカ 10:4 財《さい》布《ふ》も旅《りょ》行《こう》袋《ぶくろ》も持《も》たず、くつもはかずに行《い》きなさい。だれにも、道《みち》であいさつしてはいけません。
ルカ 10:5 どんな家《いえ》に入《はい》っても、まず、『この家《いえ》に平《へい》安《あん》があるように』と言《い》いなさい。
ルカ 10:6 もしそこに平《へい》安《あん》の子《こ》がいたら、あなたがたの祈《いの》った平《へい》安《あん》は、その人《ひと》の上《うえ》にとどまります。だが、もしいないなら、その平《へい》安《あん》はあなたがたに返《かえ》って来《き》ます。
ルカ 10:7 その家《いえ》に泊《と》まっていて、出《だ》してくれる物《もの》を飲《の》み食《く》いしなさい。働《はたら》く者《もの》が報《ほう》酬《しゅう》を受《う》けるのは、当《とう》然《ぜん》だからです。家《いえ》から家《いえ》へと渡《わた》り歩《ある》いてはいけません。
ルカ 10:8 どの町《まち》に入《はい》っても、あなたがたを受《う》け入《い》れてくれたら、出《だ》される物《もの》を食《た》べなさい。
ルカ 10:9 そして、その町《まち》の病《びょう》人《にん》を直《なお》し、彼《かれ》らに、『神《かみ》の国《くに》が、あなたがたに近《ちか》づいた』と言《い》いなさい。
ルカ 10:10 しかし、町《まち》に入《はい》っても、人《ひと》々《びと》があなたがたを受《う》け入《い》れないならば、大《おお》通《どお》りに出《で》て、こう言《い》いなさい。
ルカ 10:11 『私たちは足《あし》についたこの町《まち》のちりも、あなたがたにぬぐい捨《す》てて行《い》きます。しかし、神《かみ》の国《くに》が近《ちか》づいたことは承《しょう》知《ち》していなさい。』
ルカ 10:12 あなたがたに言《い》うが、その日《ひ》には、その町《まち》よりもソドムのほうがまだ罰《ばつ》が軽《かる》いのです。
ルカ 10:13 ああコラジン。ああベツサイダ。おまえたちの間《あいだ》に起《お》こった力《ちから》あるわざが、もしもツロとシドンでなされたのだったら、彼《かれ》らはとうの昔《むかし》に荒《あら》布《ぬの》をまとい、灰《はい》の中《なか》にすわって、悔《く》い改《あらた》めていただろう。
ルカ 10:14 しかし、さばきの日《ひ》には、そのツロとシドンのほうが、まだおまえたちより罰《ばつ》が軽《かる》いのだ。
ルカ 10:15 カペナウム。どうしておまえが天《てん》に上《あ》げられることがありえよう。ハデスにまで落《お》とされるのだ。
ルカ 10:16 あなたがたに耳《みみ》を傾《かたむ》ける者《もの》は、わたしに耳《みみ》を傾《かたむ》ける者《もの》であり、あなたがたを拒《こば》む者《もの》は、わたしを拒《こば》む者《もの》です。わたしを拒《こば》む者《もの》は、わたしを遣《つか》わされた方《かた》を拒《こば》む者《もの》です。」
ルカ 10:17 さて、七十人《にん》が喜《よろこ》んで帰《かえ》って来《き》て、こう言《い》った。「主《しゅ》よ。あなたの御《み》名《な》を使《つか》うと、悪《あく》霊《れい》どもでさえ、私たちに服《ふく》従《じゅう》します。」
ルカ 10:18 イエスは言《い》われた。「わたしが見《み》ていると、サタンが、いなずまのように天《てん》から落《お》ちました。
ルカ 10:19 確《たし》かに、わたしは、あなたがたに、蛇《へび》やさそりを踏《ふ》みつけ、敵《てき》のあらゆる力《ちから》に打《う》ち勝《か》つ権《けん》威《い》を授《さず》けたのです。だから、あなたがたに害《がい》を加《くわ》えるものは何《なに》一つありません。
ルカ 10:20 だがしかし、悪《あく》霊《れい》どもがあなたがたに服《ふく》従《じゅう》するからといって、喜《よろこ》んではなりません。ただあなたがたの名《な》が天《てん》に書《か》きしるされていることを喜《よろこ》びなさい。」
ルカ 10:21 ちょうどこのとき、イエスは、聖《せい》霊《れい》によって喜《よろこ》びにあふれて言《い》われた。「天《てん》地《ち》の主《しゅ》であられる父《ちち》よ。あなたをほめたたえます。これらのことを、賢《かしこ》い者《もの》や知《ち》恵《え》のある者《もの》には隠《かく》して、幼《おさな》子《ご》たちに現《あらわ》してくださいました。そうです、父《ちち》よ。これがみこころにかなったことでした。
ルカ 10:22 すべてのものが、わたしの父《ちち》から、わたしに渡《わた》されています。それで、子《こ》がだれであるかは、父《ちち》のほかには知《し》る者《もの》がありません。また父《ちち》がだれであるかは、子《こ》と、子《こ》が父《ちち》を知《し》らせようと心《こころ》に定《さだ》めた人《ひと》たちのほかは、だれも知《し》る者《もの》がありません。」
ルカ 10:23 それからイエスは、弟《で》子《し》たちのほうに向《む》いて、ひそかに言《い》われた。「あなたがたの見《み》ていることを見《み》る目《め》は幸《さいわ》いです。
ルカ 10:24 あなたがたに言《い》いますが、多《おお》くの預《よ》言《げん》者《しゃ》や王《おう》たちがあなたがたの見《み》ていることを見《み》たいと願《ねが》ったのに、見《み》られなかったのです。また、あなたがたの聞《き》いていることを聞《き》きたいと願《ねが》ったのに、聞《き》けなかったのです。」
ルカ 10:25 すると、ある律《りっ》法《ぽう》の専《せん》門《もん》家《か》が立《た》ち上《あ》がり、イエスをためそうとして言《い》った。「先《せん》生《せい》。何《なに》をしたら永《えい》遠《えん》のいのちを自《じ》分《ぶん》のものとして受《う》けることができるでしょうか。」
ルカ 10:26 イエスは言《い》われた。「律《りっ》法《ぽう》には、何《なん》と書《か》いてありますか。あなたはどう読《よ》んでいますか。」
ルカ 10:27 すると彼《かれ》は答《こた》えて言《い》った。「『心《こころ》を尽《つ》くし、思《おも》いを尽《つ》くし、力《ちから》を尽《つ》くし、知《ち》性《せい》を尽《つ》くして、あなたの神《かみ》である主《しゅ》を愛《あい》せよ』、また『あなたの隣《となり》人《びと》をあなた自《じ》身《しん》のように愛《あい》せよ』とあります。」
ルカ 10:28 イエスは言《い》われた。「そのとおりです。それを実《じっ》行《こう》しなさい。そうすれば、いのちを得《え》ます。」
ルカ 10:29 しかし彼《かれ》は、自《じ》分《ぶん》の正《ただ》しさを示《しめ》そうとしてイエスに言《い》った。「では、私の隣《となり》人《びと》とは、だれのことですか。」
ルカ 10:30 イエスは答《こた》えて言《い》われた。「ある人《ひと》が、エルサレムからエリコへ下《くだ》る道《みち》で、強《ごう》盗《とう》に襲《おそ》われた。強《ごう》盗《とう》どもは、その人《ひと》の着《き》物《もの》をはぎ取《と》り、なぐりつけ、半《はん》殺《ごろ》しにして逃《に》げて行《い》った。
ルカ 10:31 たまたま、祭《さい》司《し》がひとり、その道《みち》を下《くだ》って来《き》たが、彼《かれ》を見《み》ると、反《はん》対《たい》側《がわ》を通《とお》り過《す》ぎて行《い》った。
ルカ 10:32 同《おな》じようにレビ人《びと》も、その場《ば》所《しょ》に来《き》て彼《かれ》を見《み》ると、反《はん》対《たい》側《がわ》を通《とお》り過《す》ぎて行《い》った。
ルカ 10:33 ところが、あるサマリヤ人《じん》が、旅《たび》の途《と》中《ちゅう》、そこに来《き》合《あ》わせ、彼《かれ》を見《み》てかわいそうに思《おも》い、
ルカ 10:34 近《ちか》寄《よ》って傷《きず》にオリーブ油《ゆ》とぶどう酒《しゅ》を注《そそ》いで、ほうたいをし、自《じ》分《ぶん》の家《か》畜《ちく》に乗《の》せて宿《やど》屋《や》に連《つ》れて行《い》き、介《かい》抱《ほう》してやった。
ルカ 10:35 次《つぎ》の日《ひ》、彼《かれ》はデナリ二つを取《と》り出《だ》し、宿《やど》屋《や》の主《しゅ》人《じん》に渡《わた》して言《い》った。『介《かい》抱《ほう》してあげてください。もっと費《ひ》用《よう》がかかったら、私が帰《かえ》りに払《はら》います。』
ルカ 10:36 この三人《にん》の中《なか》でだれが、強《ごう》盗《とう》に襲《おそ》われた者《もの》の隣《となり》人《びと》になったと思《おも》いますか。」
ルカ 10:37 彼《かれ》は言《い》った。「その人《ひと》にあわれみをかけてやった人《ひと》です。」するとイエスは言《い》われた。「あなたも行《い》って同《おな》じようにしなさい。」
ルカ 10:38 さて、彼《かれ》らが旅《たび》を続《つづ》けているうち、イエスがある村《むら》に入《はい》られると、マルタという女《おんな》が喜《よろこ》んで家《いえ》にお迎《むか》えした。
ルカ 10:39 彼《かの》女《じょ》にマリヤという妹《いもうと》がいたが、主《しゅ》の足《あし》もとにすわって、みことばに聞《き》き入《い》っていた。
ルカ 10:40 ところが、マルタは、いろいろともてなしのために気《き》が落《お》ち着《つ》かず、みもとに来《き》て言《い》った。「主《しゅ》よ。妹《いもうと》が私だけにおもてなしをさせているのを、何《なん》ともお思《おも》いにならないのでしょうか。私の手《て》伝《つだ》いをするように、妹《いもうと》におっしゃってください。」
ルカ 10:41 主《しゅ》は答《こた》えて言《い》われた。「マルタ、マルタ。あなたは、いろいろなことを心《しん》配《ぱい》して、気《き》を使《つか》っています。
ルカ 10:42 しかし、どうしても必《ひつ》要《よう》なことはわずかです。いや、一つだけです。マリヤはその良《よ》いほうを選《えら》んだのです。彼《かの》女《じょ》からそれを取《と》り上《あ》げてはいけません。」

3月13日

ルカ 11
ルカ 11:1 さて、イエスはある所《ところ》で祈《いの》っておられた。その祈《いの》りが終《お》わると、弟《で》子《し》のひとりが、イエスに言《い》った。「主《しゅ》よ。ヨハネが弟《で》子《し》たちに教《おし》えたように、私たちにも祈《いの》りを教《おし》えてください。」
ルカ 11:2 そこでイエスは、彼《かれ》らに言《い》われた。「祈《いの》るときには、こう言《い》いなさい。『父《ち》よ《ち》。御《み》名《な》があがめられますように。御《み》国《くに》が来《き》ますように。
ルカ 11:3 私たちの日《ひ》ごとの糧《かて》を毎《まい》日《にち》お与《あた》えください。
ルカ 11:4 私たちの罪《つみ》をお赦《ゆる》しください。私たちも私たちに負《お》いめのある者《もの》をみな赦《ゆる》します。私たちを試《こころ》みに会《あ》わせないでください。』」
ルカ 11:5 また、イエスはこう言《い》われた。「あなたがたのうち、だれかに友《とも》だちがいるとして、真《ま》夜《よ》中《なか》にその人《ひと》のところに行《い》き、『君《きみ》。パンを三つ貸《か》してくれ。
ルカ 11:6 友《ゆう》人《じん》が旅《たび》の途《と》中《ちゅう》、私のうちへ来《き》たのだが、出《だ》してやるものがないのだ』と言《い》ったとします。
ルカ 11:7 すると、彼《かれ》は家《いえ》の中《なか》からこう答《こた》えます。『めんどうをかけないでくれ。もう戸《と》締《じ》まりもしてしまったし、子《こ》どもたちも私も寝《ね》ている。起《お》きて、何《なに》かをやることはできない。』
ルカ 11:8 あなたがたに言《い》いますが、彼《かれ》は友《とも》だちだからということで起《お》きて何《なに》かを与《あた》えることはしないにしても、あくまで頼《たの》み続《つづ》けるなら、そのためには起《お》き上《あ》がって、必《ひつ》要《よう》な物《もの》を与《あた》えるでしょう。
ルカ 11:9 わたしは、あなたがたに言《い》います。求《もと》めなさい。そうすれば与《あた》えられます。捜《さが》しなさい。そうすれば見《み》つかります。たたきなさい。そうすれば開《ひら》かれます。
ルカ 11:10 だれであっても、求《もと》める者《もの》は受《う》け、捜《さが》す者《もの》は見《み》つけ出《だ》し、たたく者《もの》には開《ひら》かれます。
ルカ 11:11 あなたがたの中《なか》で、子《こ》どもが魚《うお》を下《くだ》さいと言《い》うときに、魚《うお》の代《か》わりに蛇《へび》を与《あた》えるような父《ちち》親《おや》が、いったいいるでしょうか。
ルカ 11:12 卵《たまご》を下《くだ》さいと言《い》うのに、だれが、さそりを与《あた》えるでしょう。
ルカ 11:13 してみると、あなたがたも、悪《わる》い者《もの》ではあっても、自《じ》分《ぶん》の子《こ》どもには良《よ》い物《もの》を与《あた》えることを知《し》っているのです。とすれば、なおのこと、天《てん》の父《ちち》が、求《もと》める人《ひと》たちに、どうして聖《せい》霊《れい》を下《くだ》さらないことがありましょう。」
ルカ 11:14 イエスは悪《あく》霊《れい》、それも口《くち》をきけなくする悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》しておられた。悪《あく》霊《れい》が出《で》て行《い》くと、口《くち》がきけなかった者《もの》がものを言《い》い始《はじ》めたので、群《ぐん》衆《しゅう》は驚《おどろ》いた。
ルカ 11:15 しかし、彼《かれ》らのうちには、「悪《あく》霊《れい》どものかしらベルゼブルによって、悪《あく》霊《れい》どもを追《お》い出《だ》しているのだ」と言《い》う者《もの》もいた。
ルカ 11:16 また、イエスをためそうとして、彼《かれ》に天《てん》からのしるしを求《もと》める者《もの》もいた。
ルカ 11:17 しかし、イエスは、彼《かれ》らの心《こころ》を見《み》抜《ぬ》いて言《い》われた。「どんな国《くに》でも、内《うち》輪《わ》もめしたら荒《あ》れすたれ、家《いえ》にしても、内《うち》輪《わ》で争《あらそ》えばつぶれます。
ルカ 11:18 サタンも、もし仲《なか》間《ま》割《わ》れしたのだったら、どうしてサタンの国《くに》が立《た》ち行《ゆ》くことができましょう。それなのにあなたがたは、わたしがベルゼブルによって悪《あく》霊《れい》どもを追《お》い出《だ》していると言《い》います。
ルカ 11:19 もしもわたしが、ベルゼブルによって悪《あく》霊《れい》どもを追《お》い出《だ》しているのなら、あなたがたの仲《なか》間《ま》は、だれによって追《お》い出《だ》すのですか。だから、あなたがたの仲《なか》間《ま》が、あなたがたをさばく人《ひと》となるのです。
ルカ 11:20 しかし、わたしが、神《かみ》の指《ゆび》によって悪《あく》霊《れい》どもを追《お》い出《だ》しているのなら、神《かみ》の国《くに》はあなたがたに来《き》ているのです。
ルカ 11:21 強《つよ》い人《ひと》が十《じゅう》分《ぶん》に武《ぶ》装《そう》して自《じ》分《ぶん》の家《いえ》を守《まも》っているときには、その持《も》ち物《もの》は安《あん》全《ぜん》です。
ルカ 11:22 しかし、もっと強《つよ》い者《もの》が襲《おそ》って来《き》て彼《かれ》に打《う》ち勝《か》つと、彼《かれ》の頼《たの》みにしていた武《ぶ》具《ぐ》を奪《うば》い、分《ぶん》捕《ど》り品《ひん》を分《わ》けます。
ルカ 11:23 わたしの味《み》方《かた》でない者《もの》はわたしに逆《さか》らう者《もの》であり、わたしとともに集《あつ》めない者《もの》は散《ち》らす者《もの》です。
ルカ 11:24 汚《けが》れた霊《れい》が人《ひと》から出《で》て行《い》って、水《みず》のない所《ところ》をさまよいながら、休《やす》み場《ば》を捜《さが》します。一つも見《み》つからないので、『出《で》て来《き》た自《じ》分《ぶん》の家《いえ》に帰《かえ》ろう』と言《い》います。
ルカ 11:25 帰《かえ》って見《み》ると、家《いえ》は、掃《そう》除《じ》をしてきちんとかたづいていました。
ルカ 11:26 そこで、出《で》かけて行《い》って、自《じ》分《ぶん》よりも悪《わる》いほかの霊《れい》を七つ連《つ》れて来《き》て、みな入《はい》り込《こ》んでそこに住《す》みつくのです。そうなると、その人《ひと》の後《のち》の状《じょう》態《たい》は、初《はじ》めよりもさらに悪《わる》くなります。」
ルカ 11:27 イエスが、これらのことを話《はな》しておられると、群《ぐん》衆《しゅう》の中《なか》から、ひとりの女《おんな》が声《こえ》を張《は》り上《あ》げてイエスに言《い》った。「あなたを産《う》んだ腹《はら》、あなたが吸《す》った乳《ち》房《ぶさ》は幸《さいわ》いです。」
ルカ 11:28 しかし、イエスは言《い》われた。「いや、幸《さいわ》いなのは、神《か》の《み》ことばを聞《き》いてそれを守《まも》る人《ひと》たちです。」
ルカ 11:29 さて、群《ぐん》衆《しゅう》の数《かず》がふえてくると、イエスは話《はな》し始《はじ》められた。「この時《じ》代《だい》は悪《わる》い時《じ》代《だい》です。しるしを求《もと》めているが、ヨナのしるしのほかには、しるしは与《あた》えられません。
ルカ 11:30 というのは、ヨナがニネベの人《ひと》々《びと》のために、しるしとなったように、人《ひと》の子《こ》がこの時《じ》代《だい》のために、しるしとなるからです。
ルカ 11:31 南《みなみ》の女《じょ》王《おう》が、さばきのときに、この時《じ》代《だい》の人《ひと》々《びと》とともに立《た》って、彼《かれ》らを罪《つみ》に定《さだ》めます。なぜなら、彼《かの》女《じょ》はソロモンの知《ち》恵《え》を聞《き》くために地《ち》の果《は》てから来《き》たからです。しかし、見《み》なさい。ここにソロモンよりもまさった者《もの》がいるのです。
ルカ 11:32 ニネベの人《ひと》々《びと》が、さばきのときに、この時《じ》代《だい》の人《ひと》々《びと》とともに立《た》って、この人《ひと》々《びと》を罪《つみ》に定《さだ》めます。なぜなら、ニネベの人《ひと》々《びと》はヨナの説《せっ》教《きょう》で悔《く》い改《あらた》めたからです。しかし、見《み》なさい。ここにヨナよりもまさった者《もの》がいるのです。
ルカ 11:33 だれも、あかりをつけてから、それを穴《あな》倉《ぐら》や、枡《ます》の下《した》に置《お》く者《もの》はいません。燭《しょく》台《だい》の上《うえ》に置《お》きます。入《はい》って来《く》る人《ひと》々《びと》に、その光《ひかり》が見《み》えるためです。
ルカ 11:34 からだのあかりは、あなたの目《め》です。目《め》が健《けん》全《ぜん》なら、あなたの全《ぜん》身《しん》も明《あか》るいが、しかし、目《め》が悪《わる》いと、からだも暗《くら》くなります。
ルカ 11:35 だから、あなたのうちの光《ひかり》が、暗《くら》やみにならないように、気《き》をつけなさい。
ルカ 11:36 もし、あなたの全《ぜん》身《しん》が明《あか》るくて何《なん》の暗《くら》い部《ぶ》分《ぶん》もないなら、その全《ぜん》身《しん》はちょうどあかりが輝《かがや》いて、あなたを照《て》らすときのように明《あか》るく輝《かがや》きます。」
ルカ 11:37 イエスが話《はな》し終《お》えられると、ひとりのパリサイ人《びと》が、食《しょく》事《じ》をいっしょにしてください、とお願《ねが》いした。そこでイエスは家《いえ》に入《はい》って、食《しょく》卓《たく》に着《つ》かれた。
ルカ 11:38 そのパリサイ人《びと》は、イエスが食《しょく》事《じ》の前《まえ》に、まずきよめの洗《あら》いをなさらないのを見《み》て、驚《おどろ》いた。
ルカ 11:39 すると、主《しゅ》は言《い》われた。「なるほど、あなたがたパリサイ人《びと》は、杯《さかずき》や大《おお》皿《ざら》の外《そと》側《がわ》はきよめるが、その内《うち》側《がわ》は、強《ごう》奪《だつ》と邪《じゃ》悪《あく》とでいっぱいです。
ルカ 11:40 愚《おろ》かな人《ひと》たち。外《そと》側《がわ》を造《つく》られた方《かた》は、内《うち》側《がわ》も造《つく》られたのではありませんか。
ルカ 11:41 とにかく、うちのものを施《ほどこ》しに用《もち》いなさい。そうすれば、いっさいが、あなたがたにとってきよいものとなります。
ルカ 11:42 だが、わざわいだ。パリサイ人《びと》。おまえたちは、はっか、うん香《こう》、あらゆる野《や》菜《さい》などの十《じゅう》分《ぶん》の一《いち》を納《おさ》めているが、公《こう》義《ぎ》と神《かみ》への愛《あい》はなおざりにしています。これこそしなければならないことです。ただし、十分《じゅう》の《ぶん》一《いち》もなおざりにしてはいけません。
ルカ 11:43 わざわいだ。パリサイ人《びと》。おまえたちは会《かい》堂《どう》の《じ》上《ょう》席《せき》や、市《いち》場《ば》であいさつされることが好《す》きです。
ルカ 11:44 わざわいだ。おまえたちは人《ひと》目《め》につかぬ墓《はか》のようで、その上《うえ》を歩《ある》く人《ひと》々《びと》も気《き》がつかない。」
ルカ 11:45 すると、ある律《りっ》法《ぽう》の専《せん》門《もん》家《か》が、答《こた》えて言《い》った。「先《せん》生《せい》。そのようなことを言《い》われることは、私たちをも侮《ぶ》辱《じょく》することです。」
ルカ 11:46 しかし、イエスは言《い》われた。「おまえたちもわざわいだ。律《りっ》法《ぽう》の専《せん》門《もん》家《か》たち。人《ひと》々《びと》には負《お》いきれない荷《に》物《もつ》を負《お》わせるが、自《じ》分《ぶん》は、その荷《に》物《もつ》に指《ゆび》一《いっ》本《ぽん》さわろうとはしない。
ルカ 11:47 わざわいだ。おまえたちは預《よ》言《げん》者《しゃ》たちの墓《はか》を建《た》てている。しかし、おまえたちの父《ふ》祖《そ》たちが彼《かれ》らを殺《ころ》しました。
ルカ 11:48 したがって、おまえたちは父《ふ》祖《そ》たちがしたことの証《しょう》人《にん》となり、同《どう》意《い》しているのです。彼《かれ》らが預《よ》言《げん》者《しゃ》たちを殺《ころ》し、おまえたちが墓《はか》を建《た》てているのだから。
ルカ 11:49 だから、神《かみ》の知《ち》恵《え》もこう言《い》いました。『わたしは預《よ》言《げん》者《しゃ》たちや使《し》徒《と》たちを彼《かれ》らに遣《つか》わすが、彼《かれ》らは、そのうちのある者《もの》を殺《ころ》し、ある者《もの》を迫《はく》害《がい》する。
ルカ 11:50-51 それは、アベルの血《ち》から、祭《さい》壇《だん》と神《かみ》の家《いえ》との間《あいだ》で殺《ころ》されたザカリヤの血《ち》に至《いた》るまでの、世《よ》の初《はじ》めから流《なが》されたすべての預《よ》言《げん》者《しゃ》の血《ち》の責《せき》任《にん》を、この時《じ》代《だい》が問《と》われるためである。そうだ。わたしは言《い》う。この時《じ》代《だい》はその責《せき》任《にん》を問《と》われる。』
ルカ 11:-
ルカ 11:52 わざわいだ。律《りっ》法《ぽう》の専《せん》門《もん》家《か》たち。おまえたちは知《ち》識《しき》のかぎを持《も》ち去《さ》り、自《じ》分《ぶん》も入《はい》らず、入《はい》ろうとする人《ひと》々《びと》をも妨《さまた》げたのです。」
ルカ 11:53 イエスがそこを出《で》て行《い》かれると、律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》、パリサイ人《びと》たちのイエスに対《たい》する激《はげ》しい敵《てき》対《たい》と、いろいろのことについてのしつこい質《しつ》問《もん》攻《ぜ》めとが始《はじ》まった。
ルカ 11:54 彼《かれ》らは、イエスの口《くち》から出《で》ることに、言《い》いがかりをつけようと、ひそかに計《はか》った。
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