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2月03日

マタイ 26

マタイ 26:1 イエスは、これらの話《はなし》をすべて終《お》えると、弟《で》子《し》たちに言《い》われた。
マタイ 26:2 「あなたがたの知《し》っているとおり、二《ふつ》日《か》たつと過《すぎ》越《こし》の祭《まつ》りになります。人《ひと》の子《こ》は十《じゅう》字《じ》架《か》につけられるために引《ひ》き渡《わた》されます。」
マタイ 26:3 そのころ、祭《さい》司《し》長《ちょう》、民《たみ》の長《ちょう》老《ろう》たちは、カヤパという大《だい》祭《さい》司《し》の家《いえ》の庭《にわ》に集《あつ》まり、
マタイ 26:4 イエスをだまして捕《と》らえ、殺《ころ》そうと相《そう》談《だん》した。
マタイ 26:5 しかし、彼《かれ》らは、「祭《まつ》りの間《あいだ》はいけない。民《みん》衆《しゅう》の騒《さわ》ぎが起《お》こるといけないから」と話《はな》していた。
マタイ 26:6 さて、イエスがベタニヤで、ツァラアトに冒《おか》された人《ひと》シモンの家《いえ》におられると、
マタイ 26:7 ひとりの女《おんな》がたいへん高《こう》価《か》な香《こう》油《ゆ》の入《はい》った石《せっ》膏《こう》のつぼを持《も》ってみもとに来《き》て、食《しょく》卓《たく》に着《つ》いておられたイエスの頭《あたま》に香《こう》油《ゆ》を注《そそ》いだ。
マタイ 26:8 弟《で》子《し》たちはこれを見《み》て、憤《ふん》慨《がい》して言《い》った。「何《なん》のために、こんなむだなことをするのか。
マタイ 26:9 この香《こう》油《ゆ》なら、高《たか》く売《う》れて、貧《まず》しい人《ひと》たちに施《ほどこ》しができたのに。」
マタイ 26:10 するとイエスはこれを知《し》って、彼《かれ》らに言《い》われた。「なぜ、この女《おんな》を困《こま》らせるのです。わたしに対《たい》してりっぱなことをしてくれたのです。
マタイ 26:11 貧《まず》しい人《ひと》たちは、いつもあなたがたといっしょにいます。しかし、わたしは、いつもあなたがたといっしょにいるわけではありません。
マタイ 26:12 この女《おんな》が、この香《こう》油《ゆ》をわたしのからだに注《そそ》いだのは、わたしの埋《まい》葬《そう》の用《よう》意《い》をしてくれたのです。
マタイ 26:13 まことに、あなたがたに告《つ》げます。世《せ》界《かい》中《じゅう》のどこででも、この福《ふく》音《いん》が宣《の》べ伝《つた》えられる所《ところ》なら、この人《ひと》のした事《こと》も語《かた》られて、この人《ひと》の記《き》念《ねん》となるでしょう。」
マタイ 26:14 そのとき、十二弟《で》子《し》のひとりで、イスカリオテ・ユダという者《もの》が、祭《さい》司《し》長《ちょう》たちのところへ行《い》って、
マタイ 26:15 こう言《い》った。「彼《かれ》をあなたがたに売《う》るとしたら、いったいいくらくれますか。」すると、彼《かれ》らは銀《ぎん》貨《か》三十枚《まい》を彼《かれ》に支《し》払《はら》った。
マタイ 26:16 そのときから、彼《かれ》はイエスを引《ひ》き渡《わた》す機《き》会《かい》をねらっていた。
マタイ 26:17 さて、種《たね》なしパンの祝《いわ》いの第《だい》一日《にち》に、弟《で》子《し》たちがイエスのところに来《き》て言《い》った。「過《すぎ》越《こし》の食《しょく》事《じ》をなさるのに、私たちはどこで用《よう》意《い》をしましょうか。」
マタイ 26:18 イエスは言《い》われた。「都《みやこ》に入《はい》って、これこれの人《ひと》のところに行《い》って、『先《せん》生《せい》が「わたしの時《とき》が近《ちか》づいた。わたしの弟《で》子《し》たちといっしょに、あなたのところで過《すぎ》越《こし》を守《まも》ろう」と言《い》っておられる』と言《い》いなさい。」
マタイ 26:19 そこで、弟《で》子《し》たちはイエスに言《い》いつけられたとおりにして、過《すぎ》越《こし》の食《しょく》事《じ》の用《よう》意《い》をした。
マタイ 26:20 さて、夕《ゆう》方《がた》になって、イエスは十二弟《で》子《し》といっしょに食《しょく》卓《たく》に着《つ》かれた。
マタイ 26:21 みなが食《しょく》事《じ》をしているとき、イエスは言《い》われた。「まことに、あなたがたに告《つ》げます。あなたがたのうちひとりが、わたしを裏《うら》切《ぎ》ります。」
マタイ 26:22 すると、弟《で》子《し》たちは非《ひ》常《じょう》に悲《かな》しんで、「主《しゅ》よ。まさか私のことではないでしょう」とかわるがわるイエスに言《い》った。
マタイ 26:23 イエスは答《こた》えて言《い》われた。「わたしといっしょに鉢《はち》に手《て》を浸《ひた》した者《もの》が、わたしを裏《うら》切《ぎ》るのです。
マタイ 26:24 確《たし》かに、人《ひと》の子《こ》は、自《じ》分《ぶん》について書《か》いてあるとおりに、去《さ》って行《い》きます。しかし、人《ひと》の子《こ》を裏《うら》切《ぎ》るような人《にん》間《げん》はわざわいです。そういう人《ひと》は生《う》まれなかったほうがよかったのです。」
マタイ 26:25 すると、イエスを裏《うら》切《ぎ》ろうとしていたユダが答《こた》えて言《い》った。「先生《せん》。《せい》まさか私のことではないでしょう。」イエスは彼《かれ》に、「いや、そうだ」と言《い》われた。
マタイ 26:26 また、彼《かれ》らが食《しょく》事《じ》をしているとき、イエスはパンを取《と》り、祝《しゅく》福《ふく》して後《のち》、これを裂《さ》き、弟《で》子《し》たちに与《あた》えて言《い》われた。「取《と》って食《た》べなさい。これはわたしのからだです。」
マタイ 26:27 また杯《さかずき》を取《と》り、感《かん》謝《しゃ》をささげて後《のち》、こう言《い》って彼《かれ》らにお与《あた》えになった。「みな、この杯《さかずき》から飲《の》みなさい。
マタイ 26:28 これは、わたしの契《けい》約《やく》の血《ち》です。罪《つみ》を赦《ゆる》すために多《おお》くの人《ひと》のために流《なが》されるものです。
マタイ 26:29 ただ、言《い》っておきます。わたしの父《ちち》の御《み》国《くに》で、あなたがたと新《あたら》しく飲《の》むその日《ひ》までは、わたしはもはや、ぶどうの実《み》で造《つく》った物《もの》を飲《の》むことはありません。」
マタイ 26:30 そして、賛《さん》美《び》の歌《うた》を歌《うた》ってから、みなオリーブ山《やま》へ出《で》かけて行《い》った。
マタイ 26:31 そのとき、イエスは弟《で》子《し》たちに言《い》われた。「あなたがたはみな、今《こん》夜《や》、わたしのゆえにつまずきます。『わたしが羊《ひつじ》飼《か》いを打《う》つ。すると、羊《ひつじ》の群《む》れは散《ち》り散《ぢ》りになる』と書《か》いてあるからです。
マタイ 26:32 しかしわたしは、よみがえってから、あなたがたより先《さき》に、ガリラヤへ行《い》きます。」
マタイ 26:33 すると、ペテロがイエスに答《こた》えて言《い》った。「たとい全《ぜん》部《ぶ》の者《もの》があなたのゆえにつまずいても、私は決《けっ》してつまずきません。」
マタイ 26:34 イエスは彼《かれ》に言《い》われた。「まことに、あなたに告《つ》げます。今《こん》夜《や》、鶏《にわとり》が鳴《な》く前《まえ》に、あなたは三度《ど》、わたしを知《し》らないと言《い》います。」
マタイ 26:35 ペテロは言《い》った。「たとい、ごいっしょに死《し》ななければならないとしても、私は、あなたを知《し》らないなどとは決《けっ》して申《もう》しません。」弟《で》子《し》たちはみなそう言《い》った。
マタイ 26:36 それからイエスは弟《で》子《し》たちといっしょにゲツセマネという所《ところ》に来《き》て、彼《かれ》らに言《い》われた。「わたしがあそこに行《い》って祈《いの》っている間《あいだ》、ここにすわっていなさい。」
マタイ 26:37 それから、ペテロとゼベダイの子《こ》ふたりとをいっしょに連《つ》れて行《い》かれたが、イエスは悲《かな》しみもだえ始《はじ》められた。
マタイ 26:38 そのとき、イエスは彼《かれ》らに言《い》われた。「わたしは悲《かな》しみのあまり死《し》ぬほどです。ここを離《はな》れないで、わたしといっしょに目《め》をさましていなさい。」
マタイ 26:39 それから、イエスは少《すこ》し進《すす》んで行《い》って、ひれ伏《ふ》して祈《いの》って言《い》われた。「わが父《ちち》よ。できますならば、この杯《さかずき》をわたしから過《す》ぎ去《さ》らせてください。しかし、わたしの願《ねが》うようにではなく、あなたのみこころのように、なさってください。」
マタイ 26:40 それから、イエスは弟《で》子《し》たちのところに戻《もど》って来《き》て、彼《かれ》らの眠《ねむ》っているのを見《み》つけ、ペテロに言《い》われた。「あなたがたは、そんなに、一時《じ》間《かん》でも、わたしといっしょに目《め》をさましていることができなかったのか。
マタイ 26:41 誘《ゆう》惑《わく》に陥《おちい》らないように、目《め》をさまして、祈《いの》っていなさい。心《こころ》は燃《も》えていても、肉《にく》体《たい》は弱《よわ》いのです。」
マタイ 26:42 イエスは二度《ど》目《め》に離《はな》れて行《い》き、祈《いの》って言《い》われた。「わが父《ちち》よ。どうしても飲《の》まずには済《す》まされぬ杯《さかずき》でしたら、どうぞみこころのとおりをなさってください。」
マタイ 26:43 イエスが戻《もど》って来《き》て、ご覧《らん》になると、彼《かれ》らはまたも眠《ねむ》っていた。目《め》をあけていることができなかったのである。
マタイ 26:44 イエスは、またも彼《かれ》らを置《お》いて行《い》かれ、もう一度《ど》同《おな》じことをくり返《かえ》して三度《ど》目《め》の祈《いの》りをされた。
マタイ 26:45 それから、イエスは弟《で》子《し》たちのところに来《き》て言《い》われた。「まだ眠《ねむ》って休《やす》んでいるのですか。見《み》なさい。時《とき》が来《き》ました。人《ひと》の子《こ》は罪《つみ》人《びと》たちの手《て》に渡《わた》されるのです。
マタイ 26:46 立《た》ちなさい。さあ、行《い》くのです。見《み》なさい。わたしを裏《うら》切《ぎ》る者《もの》が近《ちか》づきました。」
マタイ 26:47 イエスがまだ話《はな》しておられるうちに、見《み》よ、十二弟《で》子《し》のひとりであるユダがやって来《き》た。剣《つるぎ》や棒《ぼう》を手《て》にした大《おお》ぜいの群《ぐん》衆《しゅう》もいっしょであった。群《ぐん》衆《しゅう》はみな、祭《さい》司《し》長《ちょう》、民《たみ》の長《ちょう》老《ろう》たちから差《さ》し向《む》けられたものであった。
マタイ 26:48 イエスを裏《うら》切《ぎ》る者《もの》は、彼《かれ》らと合《あい》図《ず》を決《き》めて、「私が口《くち》づけをするのが、その人《ひと》だ。その人《ひと》をつかまえるのだ」と言《い》っておいた。
マタイ 26:49 それで、彼《かれ》はすぐにイエスに近《ちか》づき、「先《せん》生《せい》。お元《げん》気《き》で」と言《い》って、口《くち》づけした。
マタイ 26:50 イエスは彼《かれ》に、「友《とも》よ。何《なん》のために来《き》たのですか」と言《い》われた。そのとき、群《ぐん》衆《しゅう》が来《き》て、イエスに手《て》をかけて捕《と》らえた。
マタイ 26:51 すると、イエスといっしょにいた者《もの》のひとりが、手《て》を伸《の》ばして剣《つるぎ》を抜《ぬ》き、大《だい》祭《さい》司《し》のしもべに撃《う》ってかかり、その耳《みみ》を切《き》り落《お》とした。
マタイ 26:52 そのとき、イエスは彼《かれ》に言《い》われた。「剣《つるぎ》をもとに納《おさ》めなさい。剣《つるぎ》を取《と》る者《もの》はみな剣《つるぎ》で滅《ほろ》びます。
マタイ 26:53 それとも、わたしが父《ちち》にお願《ねが》いして、十二軍《ぐん》団《だん》よりも多《おお》くの御《み》使《つか》いを、今《いま》わたしの配《はい》下《か》に置《お》いていただくことができないとでも思《おも》うのですか。
マタイ 26:54 だが、そのようなことをすれば、こうならなければならないと書《か》いてある聖《せい》書《しょ》が、どうして実《じつ》現《げん》されましょう。」
マタイ 26:55 そのとき、イエスは群《ぐん》衆《しゅう》に言《い》われた。「まるで強《ごう》盗《とう》にでも向《む》かうように、剣《つるぎ》や棒《ぼう》を持《も》ってわたしをつかまえに来《き》たのですか。わたしは毎《まい》日《にち》、宮《みや》ですわって教《おし》えていたのに、あなたがたは、わたしを捕《と》らえなかったのです。
マタイ 26:56 しかし、すべてこうなったのは、預《よ》言《げん》者《しゃ》たちの書《しょ》が実《じつ》現《げん》するためです。」そのとき、弟《で》子《し》たちはみな、イエスを見《み》捨《す》てて、逃《に》げてしまった。
マタイ 26:57 イエスをつかまえた人《ひと》たちは、イエスを大《だい》祭《さい》司《し》カヤパのところへ連《つ》れて行《い》った。そこには、律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》、長《ちょう》老《ろう》たちが集《あつ》まっていた。
マタイ 26:58 しかし、ペテロも遠《とお》くからイエスのあとをつけながら、大《だい》祭《さい》司《し》の中《なか》庭《にわ》まで入《はい》って行《い》き、成《な》り行《ゆ》きを見《み》ようと役《やく》人《にん》たちといっしょにすわった。
マタイ 26:59 さて、祭《さい》司《し》長《ちょう》たちと全《ぜん》議会《ぎか》は《い》、イエスを死《し》刑《けい》にするために、イエスを訴《うった》える偽《ぎ》証《しょう》を求《もと》めていた。
マタイ 26:60 偽《ぎ》証《しょう》者《しゃ》がたくさん出《で》て来《き》たが、証《しょう》拠《こ》はつかめなかった。しかし、最《さい》後《ご》にふたりの者《もの》が進《すす》み出《で》て、
マタイ 26:61 言《い》った。「この人《ひと》は、『わたしは神《かみ》の神《しん》殿《でん》をこわして、それを三《みっ》日《か》のうちに建《た》て直《なお》せる』と言《い》いました。」
マタイ 26:62 そこで、大《だい》祭《さい》司《し》は立《た》ち上《あ》がってイエスに言《い》った。「何《なに》も答《こた》えないのですか。この人《ひと》たちが、あなたに不《ふ》利《り》な証《しょう》言《げん》をしていますが、これはどうなのですか。」
マタイ 26:63 しかし、イエスは黙《だま》っておられた。それで、大《だい》祭《さい》司《し》はイエスに言《い》った。「私は、生《い》ける神《かみ》によって、あなたに命《めい》じます。あなたは神《かみ》の子《こ》キリストなのか、どうか。その答《こた》えを言《い》いなさい。」
マタイ 26:64 イエスは彼《かれ》に言《い》われた。「あなたの言《い》うとおりです。なお、あなたがたに言《い》っておきますが、今《いま》からのち、人《ひ》の《と》子《こ》が、力《ちから》ある方《かた》の右《みぎ》の座《ざ》に着《つ》き、天《てん》の雲《くも》に乗《の》って来《く》るのを、あなたがたは見《み》ることになります。」
マタイ 26:65 すると、大《だい》祭《さい》司《し》は、自《じ》分《ぶん》の衣《ころも》を引《ひ》き裂《さ》いて言《い》った。「神《かみ》への冒《ぼう》涜《とく》だ。これでもまだ、証《しょう》人《にん》が必《ひつ》要《よう》でしょうか。あなたがたは、今《いま》、神《かみ》をけがすことばを聞《き》いたのです。
マタイ 26:66 どう考《かんが》えますか。」彼《かれ》らは答《こた》えて、「彼《かれ》は死《し》刑《けい》に当《あ》たる」と言《い》った。
マタイ 26:67 そうして、彼《かれ》らはイエスの顔《かお》につばきをかけ、こぶしでなぐりつけ、また、他《た》の者《もの》たちは、イエスを平《ひら》手《て》で打《う》って、
マタイ 26:68 こう言《い》った。「当《あ》ててみろ。キリスト。あなたを打《う》ったのはだれか。」
マタイ 26:69 ペテロが外《そと》の中《なか》庭《にわ》にすわっていると、女《じょ》中《ちゅう》のひとりが来《き》て言《い》った。「あなたも、ガリラヤ人《じん》イエスといっしょにいましたね。」
マタイ 26:70 しかし、ペテロはみなの前《まえ》でそれを打《う》ち消《け》して、「何《なに》を言《い》っているのか、私にはわからない」と言《い》った。
マタイ 26:71 そして、ペテロが入《いり》口《ぐち》まで出《で》て行《い》くと、ほかの女《じょ》中《ちゅう》が、彼《かれ》を見《み》て、そこにいる人《ひと》々《びと》に言《い》った。「この人《ひと》はナザレ人《じん》イエスといっしょでした。」
マタイ 26:72 それで、ペテロは、またもそれを打《う》ち消《け》し、誓《ちか》って、「そんな人《ひと》は知《し》らない」と言《い》った。
マタイ 26:73 しばらくすると、そのあたりに立《た》っている人《ひと》々《びと》がペテロに近《ちか》寄《よ》って来《き》て、「確《たし》かに、あなたもあの仲《なか》間《ま》だ。ことばのなまりではっきりわかる」と言《い》った。
マタイ 26:74 すると彼《かれ》は、「そんな人《ひと》は知《し》らない」と言《い》って、のろいをかけて誓《ちか》い始《はじ》めた。するとすぐに、鶏《にわとり》が鳴《な》いた。
マタイ 26:75 そこでペテロは、「鶏《にわとり》が鳴《な》く前《まえ》に三度《ど》、あなたは、わたしを知《し》らないと言《い》います」とイエスの言《い》われたあのことばを思《おも》い出《だ》した。そうして、彼《かれ》は出《で》て行《い》って、激《はげ》しく泣《な》いた。

2月04日

マタイ 27

マタイ 27:1 さて、夜《よ》が明《あ》けると、祭《さい》司《し》長《ちょう》、民《たみ》の長《ちょう》老《ろう》たち全《ぜん》員《いん》は、イエスを死《し》刑《けい》にするために協《きょう》議《ぎ》した。
マタイ 27:2 それから、イエスを縛《しば》って連《つ》れ出《だ》し、総《そう》督《とく》ピラトに引《ひ》き渡《わた》した。
マタイ 27:3 そのとき、イエスを売《う》ったユダは、イエスが罪《つみ》に定《さだ》められたのを知《し》って後《こう》悔《かい》し、銀《ぎん》貨《か》三十枚《まい》を、祭《さい》司《し》長《ちょう》、長《ちょう》老《ろう》たちに返《かえ》して、
マタイ 27:4 「私は罪《つみ》を犯《おか》した。罪《つみ》のない人《ひと》の血《ち》を売《う》ったりして」と言《い》った。しかし、彼《かれ》らは、「私たちの知《し》ったことか。自《じ》分《ぶん》で始《し》末《まつ》することだ」と言《い》った。
マタイ 27:5 それで、彼《かれ》は銀《ぎん》貨《か》を神《しん》殿《でん》に投《な》げ込《こ》んで立《た》ち去《さ》った。そして、外《そと》に出《で》て行《い》って、首《くび》をつった。
マタイ 27:6 祭《さい》司《し》長《ちょう》たちは銀《ぎん》貨《か》を取《と》って、「これを神《しん》殿《でん》の金《きん》庫《こ》に入《い》れるのはよくない。血《ち》の代《だい》価《か》だから」と言《い》った。
マタイ 27:7 彼《かれ》らは相《そう》談《だん》して、その金《かね》で陶《とう》器《き》師《し》の畑《はたけ》を買《か》い、旅《たび》人《びと》たちの墓《ぼ》地《ち》にした。
マタイ 27:8 それで、その畑《はたけ》は、今《いま》でも血《ち》の畑《はたけ》と呼《よ》ばれている。
マタイ 27:9 そのとき、預《よ》言《げん》者《しゃ》エレミヤを通《とお》して言《い》われた事《こと》が成《じょう》就《じゅ》した。「彼ら《かれ》は銀《ぎん》貨《か》三十枚《まい》を取《と》った。イスラエルの人《ひと》々《びと》に値《ね》積《づ》もりされた人《ひと》の値《ね》段《だん》である。
マタイ 27:10 彼《かれ》らは、主《しゅ》が私にお命《めい》じになったように、その金《かね》を払《はら》って、陶《とう》器《き》師《し》の畑《はたけ》を買《か》った。」
マタイ 27:11 さて、イエスは総《そう》督《とく》の前《まえ》に立《た》たれた。すると、総《そう》督《とく》はイエスに「あなたは、ユダヤ人《じん》の王《おう》ですか」と尋《たず》ねた。イエスは彼《かれ》に「そのとおりです」と言《い》われた。
マタイ 27:12 しかし、祭《さい》司《し》長《ちょう》、長《ちょう》老《ろう》たちから訴《うった》えがなされたときは、何《なに》もお答《こた》えにならなかった。
マタイ 27:13 そのとき、ピラトはイエスに言《い》った。「あんなにいろいろとあなたに不《ふ》利《り》な証《しょう》言《げん》をしているのに、聞《き》こえないのですか。」
マタイ 27:14 それでも、イエスは、どんな訴《うった》えに対《たい》しても一《ひと》言《こと》もお答《こた》えにならなかった。それには総《そう》督《とく》も非《ひ》常《じょう》に驚《おどろ》いた。
マタイ 27:15 ところで総《そう》督《とく》は、その祭《まつ》りには、群《ぐん》衆《しゅう》のために、いつも望《のぞ》みの囚《しゅう》人《じん》をひとりだけ赦《しゃ》免《めん》してやっていた。
マタイ 27:16 そのころ、バラバという名《な》の知《し》れた囚《しゅう》人《じん》が捕《と》らえられていた。
マタイ 27:17 それで、彼《かれ》らが集《あつ》まったとき、ピラトが言《い》った。「あなたがたは、だれを釈《しゃく》放《ほう》してほしいのか。バラバか、それともキリストと呼《よ》ばれているイエスか。」
マタイ 27:18 ピラトは、彼《かれ》らがねたみからイエスを引《ひ》き渡《わた》したことに気《き》づいていたのである。
マタイ 27:19 また、ピラトが裁《さい》判《ばん》の席《せき》に着《つ》いていたとき、彼《かれ》の妻《つま》が彼《かれ》のもとに人《ひと》をやって言《い》わせた。「あの正《ただ》しい人《ひと》にはかかわり合《あ》わないでください。ゆうべ、私は夢《ゆめ》で、あの人《ひと》のことで苦《くる》しいめに会《あ》いましたから。」
マタイ 27:20 しかし、祭《さい》司《し》長《ちょう》、長《ちょう》老《ろう》たちは、バラバのほうを願《ねが》うよう、そして、イエスを死《し》刑《けい》にするよう、群《ぐん》衆《しゅう》を説《と》きつけた。
マタイ 27:21 しかし、総《そう》督《とく》は彼《かれ》らに答《こた》えて言《い》った。「あなたがたは、ふたりのうちどちらを釈《しゃく》放《ほう》してほしいのか。」彼《かれ》らは言《い》った。「バラバだ。」
マタイ 27:22 ピラトは彼《かれ》らに言《い》った。「では、キリストと言《い》われているイエスを私はどのようにしようか。」彼《かれ》らはいっせいに言《い》った。「十《じゅう》字《じ》架《か》につけろ。」
マタイ 27:23 だが、ピラトは言《い》った。「あの人《ひと》がどんな悪《わる》い事《こと》をしたというのか。」しかし、彼《かれ》らはますます激《はげ》しく「十《じゅう》字《じ》架《か》につけろ」と叫《さけ》び続《つづ》けた。
マタイ 27:24 そこでピラトは、自《じ》分《ぶん》では手《て》の下《くだ》しようがなく、かえって暴《ぼう》動《どう》になりそうなのを見《み》て、群《ぐん》衆《しゅう》の目《め》の前《まえ》で水《みず》を取《と》り寄《よ》せ、手《て》を洗《あら》って、言《い》った。「この人《ひと》の血《ち》について、私には責《せき》任《にん》がない。自《じ》分《ぶん》たちで始《し》末《まつ》するがよい。」
マタイ 27:25 すると、民《みん》衆《しゅう》はみな答《こた》えて言《い》った。「その人《ひと》の血《ち》は、私たちや子《こ》どもたちの上《うえ》にかかってもいい。」
マタイ 27:26 そこで、ピラトは彼《かれ》らのためにバラバを釈《しゃく》放《ほう》し、イエスをむち打《う》ってから、十《じゅう》字《じ》架《か》につけるために引《ひ》き渡《わた》した。
マタイ 27:27 それから、総《そう》督《とく》の兵《へい》士《し》たちは、イエスを官《かん》邸《てい》の中《なか》に連《つ》れて行《い》って、イエスの回《まわ》りに全《ぜん》部《ぶ》隊《たい》を集《あつ》めた。
マタイ 27:28 そして、イエスの着《き》物《もの》を脱《ぬ》がせて、緋《ひ》色《いろ》の上《うわ》着《ぎ》を着《き》せた。
マタイ 27:29 それから、いばらで冠《かんむり》を編《あ》み、頭《あたま》にかぶらせ、右《みぎ》手《て》に葦《あし》を持《も》たせた。そして、彼《かれ》らはイエスの前《まえ》にひざまずいて、からかって言《い》った。「ユダヤ人《じん》の王《おう》さま。ばんざい。」
マタイ 27:30 また彼《かれ》らはイエスにつばきをかけ、葦《あし》を取《と》り上《あ》げてイエスの頭《あたま》をたたいた。
マタイ 27:31 こんなふうに、イエスをからかったあげく、その着《き》物《もの》を脱《ぬ》がせて、もとの着《き》物《もの》を着《き》せ、十《じゅう》字《じ》架《か》につけるために連《つ》れ出《だ》した。
マタイ 27:32 そして、彼《かれ》らが出《で》て行《い》くと、シモンというクレネ人《じん》を見《み》つけたので、彼《かれ》らは、この人《ひと》にイエスの十《じゅう》字《じ》架《か》を、むりやりに背《せ》負《お》わせた。
マタイ 27:33 ゴルゴタという所《ところ》(「どくろ」と言《い》われている場《ば》所《しょ》)に来《き》てから、
マタイ 27:34 彼《かれ》らはイエスに、苦《にが》みを混《ま》ぜたぶどう酒《しゅ》を飲《の》ませようとした。イエスはそれをなめただけで、飲《の》もうとはされなかった。
マタイ 27:35 こうして、イエスを十《じゅう》字《じ》架《か》につけてから、彼《かれ》らはくじを引《ひ》いて、イエスの着《き》物《もの》を分《わ》け、
マタイ 27:36 そこにすわって、イエスの見《み》張《は》りをした。
マタイ 27:37 また、イエスの頭《あたま》の上《うえ》には、「これはユダヤ人《じん》の王《おう》イエスである」と書《か》いた罪《ざい》状《じょう》書《が》きを掲《かか》げた。
マタイ 27:38 そのとき、イエスといっしょに、ふたりの強《ごう》盗《とう》が、ひとりは右《みぎ》に、ひとりは左《ひだり》に、十《じゅう》字《じ》架《か》につけられた。
マタイ 27:39 道《みち》を行《い》く人《ひと》々《びと》は、頭《あたま》を振《ふ》りながらイエスをののしって、
マタイ 27:40 言《い》った。「神《しん》殿《でん》を打《う》ちこわして三《みっ》日《か》で建《た》てる人《ひと》よ。もし、神《かみ》の子《こ》なら、自《じ》分《ぶん》を救《すく》ってみろ。十《じゅう》字《じ》架《か》から降《お》りて来《こ》い。」
マタイ 27:41 同《おな》じように、祭《さい》司《し》長《ちょう》たちも律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》、長《ちょう》老《ろう》たちといっしょになって、イエスをあざけって言《い》った。
マタイ 27:42 「彼《か》は《れ》他《た》人《にん》を救《すく》ったが、自《じ》分《ぶん》は救《すく》えない。イスラエルの王《おう》だ。今《いま》、十《じゅう》字《じ》架《か》から降《お》りてもらおうか。そうしたら、われわれは信《しん》じるから。
マタイ 27:43 彼《かれ》は神《かみ》により頼《たの》んでいる。もし神《かみ》のお気《き》に入《い》りなら、いま救《すく》っていただくがいい。『わたしは神《かみ》の子《こ》だ』と言《い》っているのだから。」
マタイ 27:44 イエスといっしょに十《じゅう》字《じ》架《か》につけられた強《ごう》盗《とう》どもも、同《おな》じようにイエスをののしった。
マタイ 27:45 さて、十二時《じ》から、全《ぜん》地《ち》が暗《くら》くなって、三時《じ》まで続《つづ》いた。
マタイ 27:46 三時《じ》ごろ、イエスは大《おお》声《ごえ》で、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と叫《さけ》ばれた。これは、「わが神《かみ》、わが神《かみ》。どうしてわたしをお見《み》捨《す》てになったのですか」という意《い》味《み》である。
マタイ 27:47 すると、それを聞《き》いて、そこに立《た》っていた人《ひと》々《びと》のうち、ある人《ひと》たちは、「この人《ひと》はエリヤを呼《よ》んでいる」と言《い》った。
マタイ 27:48 また、彼《かれ》らのひとりがすぐ走《はし》って行《い》って、海《かい》綿《めん》を取《と》り、それに酸《す》いぶどう酒《しゅ》を含《ふく》ませて、葦《あし》の棒《ぼう》につけ、イエスに飲《の》ませようとした。
マタイ 27:49 ほかの者《もの》たちは、「私たちはエリヤが助《たす》けに来《く》るかどうか見《み》ることとしよう」と言《い》った。
マタイ 27:50 そのとき、イエスはもう一度《ど》大《おお》声《ごえ》で叫《さけ》んで、息《いき》を引《ひ》き取《と》られた。
マタイ 27:51 すると、見《み》よ。神《しん》殿《でん》の幕《まく》が上《うえ》から下《した》まで真《ま》っ二《ぷた》つに裂《さ》けた。そして、地《ち》が揺《ゆ》れ動《うご》き、岩《いわ》が裂《さ》けた。
マタイ 27:52 また、墓《はか》が開《ひら》いて、眠《ねむ》っていた多《おお》くの聖《せい》徒《と》たちのからだが生《い》き返《かえ》った。
マタイ 27:53 そして、イエスの復《ふっ》活《かつ》の後《のち》に墓《はか》から出《で》て来《き》て、聖《せい》都《と》に入《はい》って多《おお》くの人《ひと》に現《あらわ》れた。
マタイ 27:54 百《ひゃく》人《にん》隊《たい》長《ちょう》および彼《かれ》といっしょにイエスの見《み》張《は》りをしていた人《ひと》々《びと》は、地《じ》震《しん》やいろいろの出《で》来《き》事《ごと》を見《み》て、非《ひ》常《じょう》な恐《おそ》れを感《かん》じ、「この方《かた》はまことに神《かみ》の子《こ》であった」と言《い》った。
マタイ 27:55 そこには、遠《とお》くからながめている女《おんな》たちがたくさんいた。イエスに仕《つか》えてガリラヤからついて来《き》た女《おんな》たちであった。
マタイ 27:56 その中《なか》に、マグダラのマリヤ、ヤコブとヨセフとの母《はは》マリヤ、ゼベダイの子《こ》らの母《はは》がいた。
マタイ 27:57 夕《ゆう》方《がた》になって、アリマタヤの金《かね》持《も》ちでヨセフという人《ひと》が来《き》た。彼《かれ》もイエスの弟《で》子《し》になっていた。
マタイ 27:58 この人《ひと》はピラトのところに行《い》って、イエスのからだの下《さ》げ渡《わた》しを願《ねが》った。そこで、ピラトは、渡《わた》すように命《めい》じた。
マタイ 27:59 ヨセフはそれを取《と》り降《お》ろして、きれいな亜《あ》麻《ま》布《ぬの》に包《つつ》み、
マタイ 27:60 岩《いわ》を掘《ほ》って造《つく》った自《じ》分《ぶん》の新《あたら》しい墓《はか》に納《おさ》めた。墓《はか》の入《いり》口《ぐち》には大《おお》きな石《いし》をころがしかけて帰《かえ》った。
マタイ 27:61 そこにはマグダラのマリヤとほかのマリヤとが墓《はか》のほうを向《む》いてすわっていた。
マタイ 27:62 さて、次《つぎ》の日《ひ》、すなわち備《そな》えの日《ひ》の翌《よく》日《じつ》、祭《さい》司《し》長《ちょう》、パリサイ人《びと》たちはピラトのところに集《あつ》まって、
マタイ 27:63 こう言《い》った。「閣《かっ》下《か》。あの、人《ひと》をだます男《おとこ》がまだ生《い》きていたとき、『自《じ》分《ぶん》は三《みっ》日《か》の後《のち》によみがえる』と言《い》っていたのを思《おも》い出《だ》しました。
マタイ 27:64 ですから、三《みっ》日《か》目《め》まで墓《はか》の番《ばん》をするように命《めい》じてください。そうでないと、弟《で》子《し》たちが来《き》て、彼《かれ》を盗《ぬす》み出《だ》して、『死《し》人《にん》の中《なか》からよみがえった』と民《みん》衆《しゅう》に言《い》うかもしれません。そうなると、この惑《まど》わしのほうが、前《まえ》の場《ば》合《あい》より、もっとひどいことになります。」
マタイ 27:65 ピラトは「番《ばん》兵《ぺい》を出《だ》してやるから、行《い》ってできるだけの番《ばん》をさせるがよい」と彼《かれ》らに言《い》った。
マタイ 27:66 そこで、彼《かれ》らは行《い》って、石《いし》に封《ふう》印《いん》をし、番《ばん》兵《ぺい》が墓《はか》の番《ばん》をした。

2月05日

マタイ 28

マタイ 28:1 さて、安《あん》息《そく》日《にち》が終《お》わって、週《しゅう》の初《はじ》めの日《ひ》の明《あ》け方《がた》、マグダラのマリヤと、ほかのマリヤが墓《はか》を見《み》に来《き》た。
マタイ 28:2 すると、大《おお》きな地《じ》震《しん》が起《お》こった。それは、主《しゅ》の使《つか》いが天《てん》から降《お》りて来《き》て、石《いし》をわきへころがして、その上《うえ》にすわったからである。
マタイ 28:3 その顔《かお》は、いなずまのように輝《かがや》き、その衣《ころも》は雪《ゆき》のように白《しろ》かった。
マタイ 28:4 番《ばん》兵《ぺい》たちは、御《み》使《つか》いを見《み》て恐《おそ》ろしさのあまり震《ふる》え上《あ》がり、死《し》人《にん》のようになった。
マタイ 28:5 すると、御《み》使《つか》いは女《おんな》たちに言《い》った。「恐れ《おそ》てはいけません。あなたがたが十《じゅう》字《じ》架《か》につけられたイエスを捜《さが》しているのを、私は知《し》っています。
マタイ 28:6 ここにはおられません。前《まえ》から言《い》っておられたように、よみがえられたからです。来《き》て、納《おさ》めてあった場《ば》所《しょ》を見《み》てごらんなさい。
マタイ 28:7 ですから急《いそ》いで行《い》って、お弟《で》子《し》たちにこのことを知《し》らせなさい。イエスが死《し》人《にん》の中《なか》からよみがえられたこと、そして、あなたがたより先《さき》にガリラヤに行《い》かれ、あなたがたは、そこで、お会《あ》いできるということです。では、これだけはお伝《つた》えしました。」
マタイ 28:8 そこで、彼《かの》女《じょ》たちは、恐《おそ》ろしくはあったが大《おお》喜《よろこ》びで、急《いそ》いで墓《はか》を離《はな》れ、弟《で》子《し》たちに知《し》らせに走《はし》って行《い》った。
マタイ 28:9 すると、イエスが彼《かの》女《じょ》たちに出《で》会《あ》って、「おはよう」と言《い》われた。彼《かの》女《じょ》たちは近《ちか》寄《よ》って御《み》足《あし》を抱《だ》いてイエスを拝《おが》んだ。
マタイ 28:10 すると、イエスは言《い》われた。「恐《お》れ《そ》てはいけません。行《い》って、わたしの兄《きょう》弟《だい》たちに、ガリラヤに行《い》くように言《い》いなさい。そこでわたしに会《あ》えるのです。」
マタイ 28:11 女《おんな》たちが行《い》き着《つ》かないうちに、もう、数《すう》人《にん》の番《ばん》兵《ぺい》が都《みやこ》に来《き》て、起《お》こった事《こと》を全《ぜん》部《ぶ》、祭《さい》司《し》長《ちょう》たちに報《ほう》告《こく》した。
マタイ 28:12 そこで、祭《さい》司《し》長《ちょう》たちは民《たみ》の長《ちょう》老《ろう》たちとともに集《あつ》まって協《きょう》議《ぎ》し、兵《へい》士《し》たちに多《た》額《がく》の金《かね》を与《あた》えて、
マタイ 28:13 こう言《い》った。「『夜《よる》、私たちが眠《ねむ》っている間《あいだ》に、弟《で》子《し》たちがやって来《き》て、イエスを盗《ぬす》んで行《い》った』と言《い》うのだ。
マタイ 28:14 もし、このことが総《そう》督《とく》の耳《みみ》に入《はい》っても、私たちがうまく説《せっ》得《とく》して、あなたがたには心《しん》配《ぱい》をかけないようにするから。」
マタイ 28:15 そこで、彼《かれ》らは金《かね》をもらって、指《さし》図《ず》されたとおりにした。それで、この話《はなし》が広《ひろ》くユダヤ人《じん》の間《あいだ》に広《ひろ》まって今《こん》日《にち》に及《およ》んでいる。
マタイ 28:16 しかし、十一人《にん》の弟《で》子《し》たちは、ガリラヤに行《い》って、イエスの指《し》示《じ》された山《やま》に登《のぼ》った。
マタイ 28:17 そして、イエスにお会《あ》いしたとき、彼《かれ》らは礼《れい》拝《はい》した。しかし、ある者《もの》は疑《うたが》った。
マタイ 28:18 イエスは近《ちか》づいて来《き》て、彼《かれ》らにこう言《い》われた。「わたしには天《てん》においても、地《ち》においても、いっさいの権《けん》威《い》が与《あた》えられています。
マタイ 28:19 それゆえ、あなたがたは行《い》って、あらゆる国《くに》の人《ひと》々《びと》を弟《で》子《し》としなさい。そして、父《ちち》、子《こ》、聖《せい》霊《れい》の御《み》名《な》によってバプテスマを授《さず》け、
マタイ 28:20 また、わたしがあなたがたに命《めい》じておいたすべてのことを守《まも》るように、彼《かれ》らを教《おし》えなさい。見《み》よ。わたしは、世《よ》の終《お》わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」

2月06日

マルコ 1

マルコ 1:1 神《かみ》の子《こ》イエス・キリストの福《ふく》音《いん》のはじめ。
マルコ 1:2 預《よ》言《げん》者《しゃ》イザヤの書《しょ》にこう書《か》いてある。「見《み》よ。わたしは使《つか》いをあなたの前《まえ》に遣《つか》わし、あなたの道《みち》を整《ととの》えさせよう。
マルコ 1:3 荒《あら》野《の》で叫《さけ》ぶ者《もの》の声《こえ》がする。『主《しゅ》の道《みち》を用《よう》意《い》し、主《しゅ》の通《とお》られる道《みち》をまっすぐにせよ。』」そのとおりに、
マルコ 1:4 バプテスマのヨハネが荒《あら》野《の》に現《あらわ》れて、罪《つみ》の赦《ゆる》しのための悔《く》い改《あらた》めのバプテスマを宣《の》べ伝《つた》えた。
マルコ 1:5 そこでユダヤ全《ぜん》国《こく》の人《ひと》々《びと》とエルサレムの全《ぜん》住《じゅう》民《みん》が彼《かれ》のところへ行《い》き、自《じ》分《ぶん》の罪《つみ》を告《こく》白《はく》して、ヨルダン川《がわ》で彼《かれ》からバプテスマを受《う》けていた。
マルコ 1:6 ヨハネは、らくだの毛《け》で織《お》った物《もの》を着《き》て、腰《こし》に皮《かわ》の帯《おび》を締《し》め、いなごと野《の》蜜《みつ》を食《た》べていた。
マルコ 1:7 彼《かれ》は宣《の》べ伝《つた》えて言《い》った。「私よりもさらに力《ちから》のある方《かた》が、あとからおいでになります。私には、かがんでその方《かた》のくつのひもを解《と》く値《ね》うちもありません。
マルコ 1:8 私はあなたがたに水《みず》でバプテスマを授《さず》けましたが、その方《かた》は、あなたがたに聖《せい》霊《れい》のバプテスマをお授《さず》けになります。」
マルコ 1:9 そのころ、イエスはガリラヤのナザレから来《こ》られ、ヨルダン川《がわ》で、ヨハネからバプテスマをお受《う》けになった。
マルコ 1:10 そして、水《みず》の中《なか》から上《あ》がられると、すぐそのとき、天《てん》が裂《さ》けて御《み》霊《たま》が鳩《はと》のように自《じ》分《ぶん》の上《うえ》に下《くだ》られるのを、ご覧《らん》になった。
マルコ 1:11 そして天《てん》から声《こえ》がした。「あなたは、わたしの愛《あい》する子《こ》、わたしはあなたを喜《よろこ》ぶ。」
マルコ 1:12 そしてすぐ、御《み》霊《たま》はイエスを荒《あら》野《の》に追《お》いやられた。
マルコ 1:13 イエスは四十日《にち》間《かん》荒《あら》野《の》にいて、サタンの誘《ゆう》惑《わく》を受《う》けられた。野《の》の獣《けもの》とともにおられたが、御《み》使《つか》いたちがイエスに仕《つか》えていた。
マルコ 1:14 ヨハネが捕《と》らえられて後《のち》、イエスはガリラヤに行《い》き、神《かみ》の福《ふく》音《いん》を宣《の》べて言《い》われた。
マルコ 1:15 「時《とき》が満《み》ち、神《かみ》の国《くに》は近《ちか》くなった。悔《く》い改《あらた》めて福《ふく》音《いん》を信《しん》じなさい。」
マルコ 1:16 ガリラヤ湖《こ》のほとりを通《とお》られると、シモンとシモンの兄《きょう》弟《だい》アンデレが湖《みずうみ》で網《あみ》を打《う》っているのをご覧《らん》になった。彼《かれ》らは漁《りょう》師《し》であった。
マルコ 1:17 イエスは彼《かれ》らに言《い》われた。「わたしについて来《き》なさい。人《にん》間《げん》をとる漁《りょう》師《し》にしてあげよう。」
マルコ 1:18 すると、すぐに、彼《かれ》らは網《あみ》を捨《す》て置《お》いて従《したが》った。
マルコ 1:19 また少《すこ》し行《い》かれると、ゼベダイの子《こ》ヤコブとその兄《きょう》弟《だい》ヨハネをご覧《らん》になった。彼《かれ》らも舟《ふね》の中《なか》で網《あみ》を繕《つくろ》っていた。
マルコ 1:20 すぐに、イエスがお呼《よ》びになった。すると彼《かれ》らは父《ちち》ゼベダイを雇《やと》い人《にん》たちといっしょに舟《ふね》に残《のこ》して、イエスについて行《い》った。
マルコ 1:21 それから、一《いっ》行《こう》はカペナウムに入《はい》った。そしてすぐに、イエスは安《あん》息《そく》日《にち》に会《かい》堂《どう》に入《はい》って教《おし》えられた。
マルコ 1:22 人《ひと》々《びと》は、その教《おし》えに驚《おどろ》いた。それはイエスが、律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》たちのようにではなく、権《けん》威《い》ある者《もの》のように教《おし》えられたからである。
マルコ 1:23 すると、すぐにまた、その会《かい》堂《どう》に汚《けが》れた霊《れい》につかれた人《ひと》がいて、叫《さけ》んで言《い》った。
マルコ 1:24 「ナザレの人《ひと》イエス。いったい私たちに何《なに》をしようというのです。あなたは私たちを滅《ほろ》ぼしに来《き》たのでしょう。私はあなたがどなたか知《し》っています。神《かみ》の聖《せい》者《じゃ》です。」
マルコ 1:25 イエスは彼《かれ》をしかって、「黙《だま》れ。この人《ひと》から出《で》て行《い》け」と言《い》われた。
マルコ 1:26 すると、その汚《けが》れた霊《れい》はその人《ひと》をひきつけさせ、大《おお》声《ごえ》をあげて、その人《ひと》から出《で》て行《い》った。
マルコ 1:27 人《ひと》々《びと》はみな驚《おどろ》いて、互《たが》いに論《ろん》じ合《あ》って言《い》った。「これはどうだ。権《けん》威《い》のある、新《あたら》しい教《おし》えではないか。汚《けが》れた霊《れい》をさえ戒《いまし》められる。すると従《したが》うのだ。」
マルコ 1:28 こうして、イエスの評《ひょう》判《ばん》は、すぐに、ガリラヤ全《ぜん》地《ち》の至《いた》る所《ところ》に広《ひろ》まった。
マルコ 1:29 イエスは会《かい》堂《どう》を出《で》るとすぐに、ヤコブとヨハネを連《つ》れて、シモンとアンデレの家《いえ》に入《はい》られた。
マルコ 1:30 ところが、シモンのしゅうとめが熱《ねつ》病《びょう》で床《とこ》に着《つ》いていたので、人《ひと》々《びと》はさっそく彼《かの》女《じょ》のことをイエスに知《し》らせた。
マルコ 1:31 イエスは、彼《かの》女《じょ》に近《ちか》寄《よ》り、その手《て》を取《と》って起《お》こされた。すると熱《ねつ》がひき、彼《かの》女《じょ》は彼《かれ》らをもてなした。
マルコ 1:32 ◆◆夕《ゆう》方《がた》になった。日《ひ》が沈《しず》むと、人《ひと》々《びと》は病《びょう》人《にん》や悪《あく》霊《れい》につかれた人《ひと》をみな、イエスのもとに連《つ》れて来《き》た。
マルコ 1:33 こうして町《まち》中《じゅう》の者《もの》が戸《と》口《ぐち》に集《あつ》まって来《き》た。
マルコ 1:34 イエスは、さまざまの病《びょう》気《き》にかかっている多《おお》くの人《ひと》をいやし、また多《おお》くの悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》された。そして悪《あく》霊《れい》どもがものを言《い》うのをお許《ゆる》しにならなかった。彼《かれ》らがイエスをよく知《し》っていたからである。
マルコ 1:35 さて、イエスは、朝《あさ》早《はや》くまだ暗《くら》いうちに起《お》きて、寂《さび》しい所《ところ》へ出《で》て行《い》き、そこで祈《いの》っておられた。
マルコ 1:36 シモンとその仲《なか》間《ま》は、イエスを追《お》って来《き》て、
マルコ 1:37 彼《かれ》を見《み》つけ、「みんながあなたを捜《さが》しております」と言《い》った。
マルコ 1:38 イエスは彼《かれ》らに言《い》われた。「さあ、近《ちか》くの別《べつ》の村《むら》里《ざと》へ行《い》こう。そこにも福《ふく》音《いん》を知《し》らせよう。わたしは、そのために出《で》て来《き》たのだから。」
マルコ 1:39 こうしてイエスは、ガリラヤ全《ぜん》地《ち》にわたり、その会《かい》堂《どう》に行《い》って、福《ふく》音《いん》を告《つ》げ知《し》らせ、悪《あく》霊《れい》を追《お》い出《だ》された。
マルコ 1:40 さて、ツァラアトに冒《おか》された人《ひと》がイエスのみもとにお願《ねが》いに来《き》て、ひざまずいて言《い》った。「お心《こころ》一つで、私をきよくしていただけます。」
マルコ 1:41 イエスは深《ふか》くあわれみ、手《て》を伸《の》ばして、彼《かれ》にさわって言《い》われた。「わたしの心《こころ》だ。きよくなれ。」
マルコ 1:42 すると、すぐに、そのツァラアトが消《き》えて、その人《ひと》はきよくなった。
マルコ 1:43 そこでイエスは、彼《かれ》をきびしく戒《いまし》めて、すぐに彼《かれ》を立《た》ち去《さ》らせた。
マルコ 1:44 そのとき彼《かれ》にこう言《い》われた。「気《き》をつけて、だれにも何《なに》も言《い》わないようにしなさい。ただ行《い》って、自《じ》分《ぶん》を祭《さい》司《し》に見《み》せなさい。そして、人《ひと》々《びと》へのあかしのために、モーセが命《めい》じた物《もの》をもって、あなたのきよめの供《そな》え物《もの》をしなさい。」
マルコ 1:45 ところが、彼《かれ》は出《で》て行《い》って、この出《で》来《き》事《ごと》をふれ回《まわ》り、言《い》い広《ひろ》め始《はじ》めた。そのためイエスは表《おもて》立《だ》って町《まち》の中《なか》に入《はい》ることができず、町《まち》はずれの寂《さび》しい所《ところ》におられた。しかし、人《ひと》々《びと》は、あらゆる所《ところ》からイエスのもとにやって来《き》た。

2月07日

マルコ 2

マルコ 2:1 数《すう》日《じつ》たって、イエスがカペナウムにまた来《こ》られると、家《いえ》におられることが知《し》れ渡《わた》った。
マルコ 2:2 それで多《おお》くの人《ひと》が集《あつ》まったため、戸《と》口《ぐち》のところまですきまもないほどになった。この人《ひと》たちに、イエスはみことばを話《はな》しておられた。
マルコ 2:3 そのとき、ひとりの中《ちゅう》風《ぶ》の人《ひと》が四人《にん》の人《ひと》にかつがれて、みもとに連《つ》れて来《こ》られた。
マルコ 2:4 群《ぐん》衆《しゅう》のためにイエスに近《ちか》づくことができなかったので、その人《ひと》々《びと》はイエスのおられるあたりの屋《や》根《ね》をはがし、穴《あな》をあけて、中《ちゅう》風《ぶ》の人《ひと》を寝《ね》かせたままその床《とこ》をつり降《お》ろした。
マルコ 2:5 イエスは彼《かれ》らの信《しん》仰《こう》を見《み》て、中《ちゅう》風《ぶ》の人《ひと》に、「子《こ》よ。あなたの罪《つみ》は赦《ゆる》されました」と言《い》われた。
マルコ 2:6 ところが、その場《ば》に律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》が数《すう》人《にん》すわっていて、心《こころ》の中《なか》で理《り》屈《くつ》を言《い》った。
マルコ 2:7 「この人《ひと》は、なぜ、あんなことを言《い》うのか。神《かみ》をけがしているのだ。神《かみ》おひとりのほか、だれが罪《つみ》を赦《ゆる》すことができよう。」
マルコ 2:8 彼《かれ》らが心《こころ》の中《なか》でこのように理《り》屈《くつ》を言《い》っているのを、イエスはすぐにご自《じ》分《ぶん》の霊《れい》で見《み》抜《ぬ》いて、こう言《い》われた。「なぜ、あなたがたは心《こころ》の中《なか》でそんな理《り》屈《くつ》を言《い》っているのか。
マルコ 2:9 中《ちゅう》風《ぶ》の人《ひと》に、『あなたの罪《つみ》は赦《ゆる》された』と言《い》うのと、『起《お》きて、寝《ね》床《どこ》をたたんで歩《ある》け』と言《い》うのと、どちらがやさしいか。
マルコ 2:10 人《ひと》の子《こ》が地《ち》上《じょう》で罪《つみ》を赦《ゆる》す権《けん》威《い》を持《も》っていることを、あなたがたに知《し》らせるために。」こう言《い》ってから、中《ちゅう》風《ぶ》の人《ひと》に、
マルコ 2:11 「あなたに言《い》う。起《お》きなさい。寝《ね》床《どこ》をたたんで、家《いえ》に帰《かえ》りなさい」と言《い》われた。
マルコ 2:12 すると彼《かれ》は起《お》き上《あ》がり、すぐに床《とこ》を取《と》り上《あ》げて、みなの見《み》ている前《まえ》を出《で》て行《い》った。それでみなの者《もの》がすっかり驚《おどろ》いて、「こういうことは、かつて見《み》たことがない」と言《い》って神《かみ》をあがめた。
マルコ 2:13 イエスはまた湖《みずうみ》のほとりに出《で》て行《い》かれた。すると群《ぐん》衆《しゅう》がみな、みもとにやって来《き》たので、彼《かれ》らに教《おし》えられた。
マルコ 2:14 イエスは、道《みち》を通《とお》りながら、アルパヨの子《こ》レビが収《しゅう》税《ぜい》所《しょ》にすわっているのをご覧《らん》になって、「わたしについて来《き》なさい」と言《い》われた。すると彼《かれ》は立《た》ち上《あ》がって従《したが》った。
マルコ 2:15 それから、イエスは、彼《かれ》の家《いえ》で食《しょく》卓《たく》に着《つ》かれた。取《しゅ》税《ぜい》人《にん》や罪《つみ》人《びと》たちも大《おお》ぜい、イエスや弟《で》子《し》たちといっしょに食《しょく》卓《たく》に着《つ》いていた。こういう人《ひと》たちが大《おお》ぜいいて、イエスに従《したが》っていたのである。
マルコ 2:16 パリサイ派《は》の律《りっ》法《ぽう》学《がく》者《しゃ》たちは、イエスが罪《つみ》人《びと》や取《しゅ》税《ぜい》人《にん》たちといっしょに食《しょく》事《じ》をしておられるのを見《み》て、イエスの弟《で》子《し》たちにこう言《い》った。「なぜ、あの人《ひと》は取《しゅ》税《ぜい》人《にん》や罪《つみ》人《びと》たちといっしょに食《しょく》事《じ》をするのですか。」
マルコ 2:17 イエスはこれを聞《き》いて、彼《かれ》らにこう言《い》われた。「医《い》者《しゃ》を必《ひつ》要《よう》とするのは丈《じょう》夫《ぶ》な者《もの》ではなく、病《びょう》人《にん》です。わたしは正《ただ》しい人《ひと》を招《まね》くためではなく、罪《つみ》人《びと》を招《まね》くために来《き》たのです。」
マルコ 2:18 ヨハネの弟《で》子《し》たちとパリサイ人《びと》たちは断《だん》食《じき》をしていた。そして、イエスのもとに来《き》て言《い》った。「ヨハネの弟《で》子《し》たちやパリサイ人《びと》の弟《で》子《し》たちは断《だん》食《じき》するのに、あなたの弟《で》子《し》たちはなぜ断《だん》食《じき》しないのですか。」
マルコ 2:19 イエスは彼《かれ》らに言《い》われた。「花《はな》婿《むこ》が自《じ》分《ぶん》たちといっしょにいる間《あいだ》、花《はな》婿《むこ》につき添《そ》う友《とも》だちが断《だん》食《じき》できるでしょうか。花《はな》婿《むこ》といっしょにいる時《とき》は、断《だん》食《じき》できないのです。
マルコ 2:20 しかし、花《はな》婿《むこ》が彼《かれ》らから取《と》り去《さ》られる時《とき》が来《き》ます。その日《ひ》には断《だん》食《じき》します。
マルコ 2:21 だれも、真《ま》新《あたら》しい布《ぬの》切《ぎ》れで古《ふる》い着《き》物《もの》の継《つ》ぎをするようなことはしません。そんなことをすれば、新《あたら》しい継《つ》ぎ切《き》れは古《ふる》い着《き》物《もの》を引《ひ》き裂《さ》き、破《やぶ》れはもっとひどくなります。
マルコ 2:22 また、だれも新《あたら》しいぶどう酒《しゅ》を古《ふる》い皮《かわ》袋《ぶくろ》に入《い》れるようなことはしません。そんなことをすれば、ぶどう酒《しゅ》は皮《かわ》袋《ぶくろ》を張《は》り裂《さ》き、ぶどう酒《しゅ》も皮《かわ》袋《ぶくろ》もだめになってしまいます。新《あたら》しいぶどう酒《しゅ》は新《あたら》しい皮《かわ》袋《ぶくろ》に入《い》れるのです。」
マルコ 2:23 ある安《あん》息《そく》日《にち》のこと、イエスは麦《むぎ》畑《ばたけ》の中《なか》を通《とお》って行《い》かれた。すると、弟《で》子《し》たちが道《みち》々《みち》穂《ほ》を摘《つ》み始《はじ》めた。
マルコ 2:24 すると、パリサイ人《びと》たちがイエスに言《い》った。「ご覧《らん》なさい。なぜ彼《かれ》らは、安《あん》息《そく》日《にち》なのに、してはならないことをするのですか。」
マルコ 2:25 イエスは彼《かれ》らに言《い》われた。「ダビデとその連《つ》れの者《もの》たちが、食《しょく》物《もつ》がなくてひもじかったとき、ダビデが何《なに》をしたか、読《よ》まなかったのですか。
マルコ 2:26 アビヤタルが大《だい》祭《さい》司《し》のころ、ダビデは神《かみ》の家《いえ》に入《はい》って、祭《さい》司《し》以《い》外《がい》の者《もの》が食《た》べてはならない供《そな》えのパンを、自《じ》分《ぶん》も食《た》べ、またともにいた者《もの》たちにも与《あた》えたではありませんか。」
マルコ 2:27 また言《い》われた。「安《あん》息《そく》日《にち》は人《にん》間《げん》のために設《もう》けられたのです。人《にん》間《げん》が安《あん》息《そく》日《にち》のために造《つく》られたのではありません。
マルコ 2:28 人《ひと》の子《こ》は安《あん》息《そく》日《にち》にも主《しゅ》です。」
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